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超真面目ホラー

今日は3人亡くなってくれました

作者: 匿名希望・30代女性

 これは私がまだ実家にいた頃のお話です。

 その祠は駅と職場の中間にひっそりと佇んでおり、手を合わせることはしなかったものの、毎日その存在を目にしていました。

 祠の中には、1歳児ほどの大きさのお地蔵様が祀られており、赤い前掛けがその小さな身体を覆っていました。


 ある日、お地蔵様の前に一人の若い男性が立っていました。このお地蔵様に参る人を見たのは初めてだったので、私は好奇心をそそられ、ゆっくりと足を進めながら横目でその様子を窺いました。


 男性は、お地蔵様の頭を優しく撫でていました。上部を撫でるのではなく、まるで大切なものを抱きしめるように、後頭部まで手を回して撫でていました。その後、両手を合わせて何か小さな言葉を呟くと、お地蔵様に一礼して立ち去りました。


 せっかくの機会なので、私もお地蔵様の前に進みました。すると、線香のような香りが漂ってきます。しかし、何かが違う気がしました。


「もしかしたら、ご利益があるかもしれない。さっきの男性のようにお地蔵様の頭を撫でてみよう」


 そう思い、私はお地蔵様の後頭部に手を伸ばしました。その瞬間、ぬるりとした何かが指に触れました。驚いて手を引くと、右手の中指と薬指に透明で粘着質な液体が付着していました。


 その匂いを嗅いでみると、どこか懐かしさを帯びた香りが鼻をつきます。考えを巡らせていると、指の表面が徐々に固まっていく感覚があり、これが何なのかを思い出しました。


 アラビックヤマトだ。


 思い出せてスッキリしましたが、なぜお地蔵様の後頭部に液体のりが⋯⋯? 後頭部にいったい何を貼っていたのでしょうか。


 気になったので横から覗き込んで裏側を見てみると、新聞のお悔やみ欄の切り抜きが、後頭部にも背中にも満遍なくビッシリと貼り付けられていました。


 思わず腰を抜かした私は、その衝撃で尾てい骨を骨折してしまいました。

 それから毎日復讐のためにそこで待ち伏せしたのですが、男性が現れることはありませんでした。ふざけんな。

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― 新着の感想 ―
子供サイズの地蔵って子消しとかの水子供養の意味合いじゃなかったっけ? お悔みの記事は、全部未成年のものだったのかな? 最初は液体のりを使って苔を生やす促進でもしてるのかと思ったけど、その男の病みは深…
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