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二人の関係-side B-

Side B 柴田 渉


街はイルミネーション。

それもそのはず、今日は12月24日。

恋人たちのクリスマス。

浮かれた気分の街の中、僕は自分の両手を上着のポケットにつっこんで

あてもなく街をさまよった。

空気は冷たく、吐き出す息は白く闇に溶ける。

徐々に奪われていく体温を感じながら、僕はさっきの出来事を思い返していた。


お互い初めてなわけでもないだろうし、ちょっとしたおふざけのつもりで

軽く口付けた。

彼女とはいつも軽口を叩き合う仲だったし、

そんなこと位、笑いとばしてしまうような人だと思っていたから、軽い気持ちでしてしまったんだけれど。


僕は戸惑っていた。

口付けた彼女の瞳に驚きと、そして。

悲しみの色が宿ったことに。


もともと僕は、女の人には割りともてる方だと思う。

昔から付き合う女の子は絶えなかったし、嫌いじゃなかったから。

だから、女の子が自分に向けてくる感情には割りと敏感だった。

時はそれが面倒くさくて、男女の関係に友情なんてありえないって思っていたけれど、

館林さんと会ってその考えは払拭された。


彼女は一緒にいて本当に気が楽だった。

決して美人じゃないし、気が利くわけでもないけれど、

話をしてても面白いし、考え方も尊敬できた。

何より、いつも大人びていて、悪ふざけも冗談も一緒に楽しんでくれるけれど、

決して本気にはしないところが気にっていた。

僕に媚びることも、誘いをかけることも一切なかったから。

いつも異性といると一線を越えないようにと、勘違いさせないようにと、気ばっかり使っていたけれど、

彼女だけは違うって、そう思っていた。


そんな彼女に少し甘えすぎていたのかもしれない。


先ほど見せた表情が、頭にちらついて離れない。

まさか。

まさかね。


何かの間違いに違いないって、一生懸命自分に言い聞かせたけれど

一度沸き起こってしまった疑念は、簡単には消せない。


いや、もしかすると僕は知っていたのかもしれない。

知っていたくせに、知らない振りをし続けた。

僕はどうしたらいいんだろう。


久しぶりに書くので、なんだかドキドキしてます^^;


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