秋の日の公園にて
飽きっぽいくせに仕事に関してだけは頑固一徹な親父はいわゆる仕事バカと呼ばれる人種で、職人をしながら小さな商店を年中無休で営んでいる。
呆れたお袋は国民年金の受給が始まると早々に家を出て行った。
「商いを終いにしようと思ってな」
秋の風が吹き抜けるたび、公園の黄色い銀杏の葉を道連れに落としていくのをぼんやりと眺める。
諦めてしまった今朝の親父の背中は、明日には幹と枝だけになりそうな木と同じに見えた。
空き缶が落ちていたので蹴飛ばしてみるが、ゴミ箱へは飛んで行かず、どこか明後日の方向に宙を舞う。
明らかに、親父の声には悔しさか滲んでいた。
アキレス腱を念入りに伸ばしてから、落ちた缶までの短距離を全力疾走する。
「諦めんなよクソ親父ィ―――っ!! はぁ……」