間髪とは
直ちに、とかすぐさまなどを表すのによく使われるのが
「間髪を容れず(または入れず)」「間髪容れず」
ですが、読み方と表記に関してはおそらく合っていることが少ないかと思われる言葉なので、改めて確認していただきたいと思い取り上げます。
中国の故事(牧乗「諌呉王書」「説苑」)に於いて対応を即起こしたことによる、時間をおかず行動する様を表したもので、あえて読み方を忠実にするなら
「間、髪を容れず」となります。
「かんぱつをいれず」「かんぱついれず」にはならないことに注意しましょう。
似た言葉に
「間一髪」(かんいっぱつ)
がありますが、これは時間的要素は同じですが、用途としては「あぶないところ」「すんでのところ」など受動的な危機的状況に対しての結果を表します。
能動的な「間髪を容れず」とは意味を違えていますので、間違うことはないでしょうが、この言葉があることで、「間」と「髪」が一つの熟語のように捉えられてしまい「間髪」というものだと広まったと考えられます。
記述のしかたには厳密さを求めるのは息苦しいとは思いますが、読みを誘導するために、できれば「間、髪を容れず」とすることで読者も言葉を大事にするのではないかと思います。