被害とは?
重言で例に出しましたが、作品中に記述される「被害」とは具体的になんであるか、少しばかり掘り下げたいと思います。
被害の「害」はなんらかの妨げとなる悪い事柄であって、なんとなく「被害」と使ってしまうのは、執筆者としては安易な考え方に陥る危険性を孕んでいます。
心身や関係に及ぼす損なう物事
経済などを悪化させる物事
自然環境や生活環境を悪化させる物事
これら損害や災害を受ける状態を「被害」と称するのはご理解頂けるとして、よく文章中に「被害を被る」「被った被害」などが使われていることがあります。
そこへ至るまでの記述があるのであれば単に「これらの害を被る」でよく、ないのであれば具体的な損なう内容を語り「被害だ」と締めくくるのがよいのではないかと思います。
修正が難しい本文中の言い換えとしては「実害を被る」「被害を受ける」「被った損害」などにすれば、重言とはならないでしょう。
様々な作品に最も多く出現する言い回しである「被害」の扱いについて述べさせていただきましたが、日常の話し言葉でつい使ってしまうものの一例として私自身も意識していきたいものです。