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残り銀貨500枚からの再スタート  作者: 切身魚/Kirimisakana
85/180

いっぱいになっちゃって声にならなくて

手持ち、残り銀で6240(+6000)枚と銅2枚。

シノビ登場回。

 意識が戻る、っていうのは。

 本当のところ、「うっすら感覚が戻る」から、「鼻先からしっぽまで全部つながった感じがわかる」まで、段階が色々あるんじゃないかな。

 そういうアタシはというと、


「右手の指先は大陸の東の果てを掴んでて、左手は双月の間をふらふら飛んでて、頭はたぶん街のどこかに宙づりになってる感じ」


 が最初にきて、怖くて目を開けられなかった。

 本当に宙づりだったらどうするよ? 目を開けた途端のショックで吐くかもよ? てくらい、……いや? なんか変だな?

 体がちゃんとある感じが、全然ないぞ。

 ちゃんと息できてるかな、ってのをまず確認。(こうやって考えるのができるから、死んでる気はしないけど、死んだらどう感じるかってのも知らないからね!)

 匂いがわからないけど、自分の鼻がスンスン鳴るのは聞こえたし、それって耳もちゃんとあるってことだよね。うん、動かせてる感じがしないけど息してるし、生きてるみたい。

 みたいだけど、強力な麻痺系の薬か、魔術を使われたのか。本当に感覚ないな?

 口。唾を飲み込む。できた。けど、舌は動いてるのかな……。こんな風に自分の体が、自分のなのに、分厚い布ごしに動きを確かめてるような。

 ううー、イライラしてくるなぁ、もう。

 でも、がんばれアタシ、やればできる、大丈夫って、自分で自分を励ましてから目を開けてみると、ひどい吐き気に襲われることはなくて。右手の指先は大陸の果てじゃなく、ちゃんと腕の先についてるのが見えた。首も動かせたから、周りを観察。


 薄暗くて、あまり天井高くない、梁の上の板張りが見える。窓は板を閉じてて、光が入ってないってことは夕方か、夜かもしれない。アタシが横たわってるのはベッドの上。手触りからして綿入りかぁ、アタシの下宿よりいいもん使ってるな。

 さて、感覚がまだもどらないけど、全身はちゃんとあるかどうかだ。

 頭を持ち上げてみる。 ……っても、首から下が力入らなくて、肩でふんばれないもんだから。顎を引いて、目玉を動かして見える範囲、両方の伸ばした手が見えたくらい。

 それでもアタシはほっとした。コートは脱がされてるけど、その、いわゆる裸に剥かれてどうこうじゃないてことがね。

 これで首から下に力が入るようになれば、もっと何かできるのに。


 とか思ってると。他に見るものがないから、なんとなく目をやってた窓板。合わせ目の留め金が、ことん、と外れた。ほんとは耳はよく聞こえてないけど、あれって留め金外れてない? 外れたよね?

 確認で見つめてるうちに、板戸が半分、外に開いて。ああ、外暗いんだーって思ううちに、あれっ夜じゃなかったのかな、紺色の布を巻いた誰かなのか何かなのかが。

 するっと床に降りて、また戸を押し戻して(やっぱり外は暗いみたいだった)。動いてるのが水みたいになめらかで音もないから、立ち上がる姿みるまで、ひとだと分からなかった。

 全身全部、紺色の布を巻いてて、顔だけ出したひとだ。顔のとこも、淡い色の木を彫った仮面になってる。

 部屋全体は薄暗い(アタシの見えないところに、芯を絞ったランプか何かあるみたい)けど、そのひとにはきちんと見えてるみたいで。ベッド上のアタシを見つけてびっくりしたのか、軽く頭をのけぞらせかけたのと、目が合った。


「あー…っと、目がいてるてことは、意識あるか。助けに来たよ。」


 言い終わる前に、足音なく、脇にやってきて、膝をついて。

 アタシがただ黙って(だって舌がうまく動かなかったんだ)、目をぎょろつかせてたのを、「ああ、そだ」と何かしら理解してくれたみたい。


「符牒を言ったら君が安心するって言われたんだけど。『ダイニング・キッチン』て、合ってる?」


 うんうん。

 あってる! あってるよーーーー!


 ああ仲間から助けが来たんだって、それだけでいっぱいになっちゃって声にならなくて、アタシはとにかく動かせるだけ、頷きまくった。

 その反動で頭がくらくらしてきたんだけどね。

手持ち、残り銀で6240(+6000)枚と銅2枚。

マーエの方はこうなっていますが、本人のバッドステータスが問題です。

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