以前の鍵はここでもお役だち
手持ち、残り銀で4763枚と銅2枚。
ウォーリアはドワーフらしい名前、ヨアクルンヴァルと言います。
先日の女の子は「ヨアクのおばさま」と略してました。
ガイコツの脇からアーチを抜けて、40フィートほど先は、両開きになった大きなドア(そして戸板が歪みすぎてて開かないから、壊してもらった)。
気配は無いと思うんだけど、アタシが先行してみる。
部屋はとても広くて、東西100フィート、南北に140フィートはある。光を絞った状態で壁沿いから調べてみて、ここは信仰集会、それか祭祀の部屋だなって感じ。北側に一段高くなったところがあって、壁には例の≪塵を踏むもの≫の神様像。
その前、真ん中には大きな……大きかったと思われる、傾いた祭壇がある。掛けてある布を、短剣の鞘でめくってみたら、台は木でできてて、片側の脚が腐ってた。何…十じゃなくて百かも?…年も放っておかれたら、そりゃ腐るよね。台座の上にはこんもり埃が積もってるし、ドアのほとんどが湿気てるもん。
ここの壁には壁画はなくて、代わりに壁龕がいくつもあって、使われてた頃にはそこにランプを置いてたっぽい。祭壇の横、東側の壁には両開きの大きなドア。
床には、最前列から一脚、次は二脚、とひとつずつ増やすような感じで、さっきのガイコツが座ってたような木製の丸い椅子が置いてある。彫刻とかされてて高級品ぽい、でも。……古いんだよね。
あとは南の壁隅に、石壁の繋がりが変な部分を見つけた。ほかは特別なものやら気配もないので、仲間を呼び入れて。アタシはウォーリアに手招きする。
「ここの壁って、この石の隙間の線が変な感じするんですけど。」
指さして見せると、ヨア…なんとかさんは、「当たりだね」とにっこり笑って。
「この辺からこう来て、こう、ここに蝶番がある。鍵穴はこれだろうねぇ」
と、ドアの輪郭を示してから、壁石のつなぎ目に隠れてる鍵穴を見つけてくれた。
「とすると、コレかな?」
脇のポケットから、以前手に入れた鍵を出してみる。
頷いたウォーリアが脇に寄ってくれたので、アタシは改めて隠し扉を調べ始める。
「何かあると思って調べて、何もなかったら結果上等ってことなんだ」
は、アタシの先生の言葉。
ちなみに何もなかった。何もなかったから、結果は上等なんだ。
鍵を使ってみたら、錆ついた感触はあったけどきちんと開くし。
開けて見た先は左右、つまり東西に延びる長い通路の途中みたいで、空気は動いた気配がない。
5人で休憩しながら相談タイム。……と言っても、ほぼ皆して西の方へ行きたい感じになってた。
ダイア・キンケイの骨だらけの部屋につながるのか、それとも開けられなかった扉の部屋につながるのか。どっちでもいいから『その方面に何があるの?』ってはっきりさせたいよね。うん、分かる。
西の方へ90フィートほど行くと、通路は南へ折れ曲がってて、折れ曲がってる正面にはドア。通路はもっとずっと先まで続いてるから、ここはドアを調べるべきか。
ドア自体は鍵もなにもないし、湿気のせいで歪みはあるけどそれほどひどくない。力いっぱい押せば開きそう、ではあるのだけど。
ドアの向こうにある気配が、気になる。首筋の毛がふわっとするような、アンデッドの感じがする。だから調べるのも音を立てず、無音で仲間のところに戻った。
「通路は南に向かってて、突き当りドアの向こうにはアンデッドの気配があるんだけど、どうする?」
手持ち、残り銀で4763枚と銅2枚。
ダンジョン探索は続きます。
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