休日の調査開始
手持ち、残り銀で4804枚と銅0枚。
アラカチャは山や斜面の水はけ良い土地を好みます。デンチャは沼地や、沼を干拓したような湿気の多い土地を好みます。味的にはヤムイモとサツマイモを足して二で割ったようなイメージ。
孤児院からの帰り際、街の子にト…じゃなかった、ギーチャンの下宿に伝言を頼んでおく。学者だし、アタシの知りたいことに答えてくれる可能性はニ…ギーチャンが高い。
でもカ…ギーチャンは仕事の研修を受けてて、アタシみたいに休みが自由になる訳じゃない。伝言はアレだ、保険っていうか。返事が無かったら、お金だして別のプロに訊くことにする内容だし。
下宿に戻ると、夕飯には麦粥と、若ナバナに塩漬けオオバスマスの戻し煮、あとデンチャ芋の蒸し焼きに香味油と塩も付けて。
ああ、銀貨が6枚減っても、気にしない感じっていいなぁ。こういうのを、幸せってゆーか、平和ってゆーか……だよね。
カウンターの空いた席で、平穏をかみしめながら食べてると、
「スーファン先輩にも声かけとけばよかったんでは?」
って閃いた。
先輩自身の仕事の都合もあるだろうから、手伝いは期待できないでも。
キマルの事は知らせておかなきゃ。先生が言ってたように、ヒョウムも一緒だから、死んでる可能性より、生きてる可能性のほうが高い。そのことも一緒に知らせて、あんまり心配しないでくれるといいな。
アラカチャ芋は山の畑で作るけど、デンチャ芋は沼地に近いような、湿り気の多い土地の芋で。ナバナの葉に包んで灰に埋めて焼くと、ねっとりして、甘味がでてくる。これに、黒ガイナンの粉を効かせた香味油や塩をちょっとかけると、甘さが強調されて、スパイシーな軽食になるってわけで。
半分に切った芋の中身を、匙ですくいながらちびちび食べる。一気に食べたらもったいないじゃん。
スプーンを置いて、蜂蜜いりのカードを一口飲んだ時。もう一人、伝言する相手を思いついた。
ヒョウムのお姉さん、あのひとは確かチーム組んでるから、冒険者組合に私書箱を持ってるかも知れない。『ゆらゆら』だったか『ふよふよ』か、なんかそういう名前だったな。
急いで食事をかっこんで、繊維紙の安いのを頼んで伝言を書き。
真っ暗になる前に、って通りに出てみると、居た居た。≪街の子≫に銅貨5枚で伝言を頼むことができた。
朝ご飯は、麦粥と、カヴァナッツにベレバ菜、アミハリ脚の肉の混ぜ焼き、蜂蜜入りカード。それに、茹でグラーヌの片身もつけちゃって、もりもり食べて元気いっぱい!な気分で。
アタシはまず、自分の部屋で装いを変えた。といっても獣人の振りじゃなく。
前髪を後ろに撫でつけて、まっ黄色の布で後ろ頭を巻いて、残りの髪が後頭部から後ろに流れるようにする。それとメイク。眉まわりを描き足して、耳の前にも毛が垂れるよう、付け毛もちょっと。
胸を張って、踵から着地するように大股に歩いて。顔の良し悪しはまあ、他のひと曰く『顔の良いテルセラ』なんだろうし、線の細めな若い男に見えるだろうさっ。
そうして、冒険者組合に向かった。
手持ち、残り銀で4791枚と銅0枚。
マーエ自身の認識はさておき、「ちょ、誰あのイケメン?」という声が通りの随所にて囁かれています。
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