作戦会議:アンデッドなでっかいヤツの倒し方
手持ち、残り銀で1498枚と銅5枚。
作戦会議ターンです。とあるゲーム風に言えば、モンストラス・アンデッド・ダイア・キンケイ。CR20程度ですので、凄く頑張れば物理のみでも倒せます。
「落ち着いたのだ?」
「も、もう一杯……」
「うん」
僧侶さまに水をもらって、さらにお代わりもらって、ようやく、落ちついた気分になれた。
で、見たもの聞いたものを報告。
特に、ダイア・キンケイのアンデッドは、下書き用の紙に図を描いてから、全員で確認してもらった。
「骨で床が埋まってて、こっち(北東側)の天井が崩落して、下の石と骨の山で支えられてる感じだった。光源を絞っていたから、部屋全体の広さは分からなかった」
指さしながら説明すると、ウィザードが手を挙げた。
「質問です。発見した、アンデッド・ダイア・キンケイの大きさについてです」
「うん」
「前脚の骨の長さはどのくらいでしたか」
「アタシの頭のてっぺんから、この辺(座ってるお尻の位置)くらいまでだったよ」
「概算で3フィート半ですか。すると、頭骨の大きさなどは?」
「アタシの身長越えてた」
「ふむ、すると……肋骨からの胴幅は軽く20フィート越えますね」
「越えるね」
ウィザードが木炭を動かして、頭を丸で、胴体と三対の脚を書き入れていく。
「確認です。アーチの幅は何フィートでした?」
「20フィート……だね」
あ、なんか気づいちゃった。
「ふむ、20フィート」
書かれたのを見て、ほかの3人もニヤニヤしだした。
「ちょいと作戦を練ろうかねっ」
ウォーリアの言葉で、皆うなずく。最初に挙手したのはウィザード。
「提案です。骨というのは酸で溶けるもの。≪強酸の池≫でなんとかならないでしょうか」
「スケルトンの5-6体ならそれでいいですが……」
アタッカーが難色を示すとおり。
「うん。転がってる骨や、卵の殻もあったから、相当量の酸が要るよ?」
「ご指摘通りです。うーん……、大きな火力呪文も無いではないのですが」
アタシの言葉に、ウィザードは眉を寄せる。
「難しそう……?」
「仮に錬金術師に話を持って行ったとしても、です。大量に運ぶのも、≪輸送袋≫でできる。それでも、相手に気づかれないうちに一気に流し込むのは難しくないですか?」
アタッカーがひとつずつ指を折って、ウィザードはしぶしぶうなずいた。
一気に流し込むのは……うん?
「あっ、じゃあじゃあ、聖水をドバーってかけるのは?」
「作れるけど、巨大なものは、聖水だけでは祓えない」
「無理かぁ」
僧侶ならいけると思ったんだけど。
「心に強く思ってることや、恨みをね、なんとかしないと……、それできたら、本当に行くはずだった所へ、送ってあげられるのだが。」
「でもさ、あれって魔獣のアンデッドだよ」
「そこなのだ」
難しい、と僧侶は首を振る。
「天井の崩落さえなきゃあ、火力で文字通り焼きつくすって手もあったんだがねっ」
ウォーリアが腕を組んで、渋い顔になる。
「崩落があるとダメですか?」
「ダメだね。あそこから他の部屋まで崩れると、最悪こっちが生き埋めだよっ」
「げ、それは……」
死ぬより酷いじゃん。
「相手が出入口より大きい、という有利は崩したくないですね」
ざっと描いた図に目を向けたまま、アタッカーは考えている口調。前衛職のひとは、というか冒険者全般、自分の職能中心で考えるタイプなんだけど。このひとは、戦術戦略を大事にしてるみたい。でもってウィザードは色々、基本は魔術系だけど、出してくる考え方の幅が広い。
アタシも、自分の得意なことで考えてみたほうが、何か糸口つかめるかも……。
「あ、じゃあじゃあ、こういうのはどうでしょう!」
手持ち、残り銀で1498枚と銅5枚。
アンデッド「……(休眠中?)」
凄く頑張る=全力で怪我も上等なので、安全に帰還できる可能性が低下する。このパーティとしてはあまり選べない選択肢です。
お読みいただきありがとうございました。




