変装
手持ち、残り銀で1550枚と銅0枚。
ちょっと寄り道の変装回です。
小物屋は衣装も扱ってて、隣の古着屋も実は同じ経営者だったりする。間口は別でも、裏が倉庫でつながってるの。そのなかに、仕切り板を立てた簡易な更衣室がある。
自前の服を預けて、貸衣料の重ねばきスカートと、足首の見える薄底の布靴、もこもこした毛皮のコートを借りる。自分の服につけてる隠し袋やらは、ポーチと、コートの内側にくくりつけ。
明るい黄色と、オレンジ色のスカートの内側にも、ベルトから小さい袋を吊る。布靴は茶色、コートは薄茶色の斑点があるベージュで。衣装と一緒に借りた、『ほどよく古びてる、安物アクセサリー』を首や手首、耳にもつける。くすんだ真鍮飾りには、ガラスや甲殻、貝殻の飾りがいっぱいついてて、音は気になるけどいい感じに。
そして道具。境目をわからないよう、メイクと付け毛でぼかし、ついでに自分の眉や目元のハイライトを動かす。
倉庫から出て、店主にもチェック依頼。
「どうだろ?」
「良い出来だ。これなら猫系獣人のお姉さんで通る」
そう、買った道具というのは、猫系獣人の半獣化形態にありがちな、口元だけ猫の毛皮を貼った布覆い。口の横側を、溶き粉糊でくっつけてあるので、ヒゲの動きもできるすぐれもの(だからお高いんだけど)。
「ありがと、うっふん」
「ウィンクは要練習だな」
「……わかった。観劇終わったら古着屋のほうから戻るよ」
ナンパされんようになぁ! という声を背中で聞いて。
アタシはクールに、おっと違った、変装に合わせて、うきうき踊るような足取りで劇場に向かったのだった。
手持ち、残り銀で1530枚と銅0枚。
変装用の衣装代で、銀貨20枚減りました。次回は、次回こそは『お手頃価格』劇場です。
お読みいただきありがとうございました。




