昼からの暇をどうしましょ
手持ち、残り銀で1780枚と銅0枚。
インターバルのはじまりです。
帰途の≪第一層≫で、何回かモンスターを倒し、今日の収穫は銀で758枚。
そして遅めの昼食を兼ねた分配の席で、明日一日は休みにすることになった。最初はアタッカーが、
「そろそろ家の掃除が気になるんですよ」
と言い出したことで、僧侶もうなずく。
「■■■も、万神殿でのお勤めがあるのだ。いつでもいいって、言ってもらったけど。そろそろ、説法会したほうが、いい」
「アンタ人気者だからねぇ。行き帰りの護衛はアタシが行こう」
ウォーリアが手をかるく挙げる。
説法会を万神殿が求めるということは、建物として教会を持つわけじゃないけど、人気がある御坊様ってことね。(人気取りに説法会を催しはするも、建物はあげない、てわけだ。)
「お願いするのだ。≪森の大鹿≫にも伝言しておく」
「森の?!」
大宗派の名前にびくっとするアタシに、僧侶はコップ一杯の水を飲み干してから、
「うん。あそこの大司祭さまと、ご縁がある。説法会とか、場所の手配やお手伝い、お願いするの。」
と、にっこり笑う。意外な人脈というか、……いや、意外でもないのか。たしか『蚤の聖者』と呼ばれてたしね(海の聖者だっけ?)。一日前の伝言で融通してもらえるなら大したもんだ。
「アタシも行っていいかな?」
て聞いたら「いいよ」って言うので、時間とか聞いておいた。
「お腹空かせて、くるといいのだ」
と僧侶は言ってたけど、なんだろうね?
その日の獲物で分けてもらったブツを、防水皮革の袋に詰めて帰る。迷宮の中で、いいかんじの血抜き(大きな血管から、葦と水袋で水を入れていってだーっと抜いちゃう。水をいくらでも出せる僧侶のおかげだ。)してあったお陰で、後はなめし液に漬けたりするだけで皮をきれいに取れる……んだけど。そういう作業を下宿先でやる訳にはいかないし、第一そんな広い場所もない。
こういう時アタシは、なじみの小物屋にお願いすることにしてる。
自由な盗賊のためのサービスは、冒険者組合が提供してるもの(割高だしいつも同じ品質とは限らない)と、街中の店(お値段様々だけど出すもの出せば品質保証、ただし色々ある)、どっちがいいかはモノによる。小物屋『昼夜百日』は、師匠筋にあたるひとに教えてもらった後者。
モンスターの頭を渡して、どの辺の皮が欲しいか、端の始末はいるか、などなど職人を兼ねる店主と交渉して、銀貨は100枚減った。その代わり、三日でできるというから悪くない。
道具を一つ買い、今日の使用で傷んだかもしれない道具をみてもらうことにする。これの支払いがさらに銀130。
その間は暇になるし、アタシもずっと店先でだらだらするつもりはない。
たしか今、『小赤と草黒』の再……何回目だっけの再演がかかってるんだよね、劇場。
手持ち、残り銀で1550枚と銅0枚。
劇場はお高いところもあれば、お安いとこもあり。次回は『お手頃価格』劇場です。
お読みいただきありがとうございました。




