そういうキャラでいく
手持ち、残り銀で5919(+19000)枚と銅0枚。
要注意人物、名前はカラジといいます。推定されてる通りに現代日本社会からの転生者。周囲からは、好ましからざる人物とみられています。
「カーリがもうカーリゴンになって寝てるんだって」
レーアちゃんを先頭にして、皆でとことこ歩いていく先には、囲いのある広場みたいなものが見える。それと、二色の毛皮のカタマリが、その広場をほぼ占領してるのも。
「カーリゴンて、あの毛皮の?」
「そう! とってもフワフワで、一緒にねると、きもちがいいのよ!」
レーアちゃんが自慢げに指さしてるのは、でっかいお腹が一番目立つ、太った幻獣だった。仰向けになってるお腹のところは、朝のうすい日差しでも金色でつやつやしてて、翼を広げた鳥みたいな茶褐色の模様が胸のあたりに二列はいってる。お腹以外は、濃いめの茶褐色で、これまた艶といいふわっと広がった毛先といい、寝心地よさそうな。
そして大きいったら、ほとんど一軒家くらい大きい。胴体が丸っこくて大きいせいで、短く見える手足を広げて、「んぐごー……すかー……」って寝てる。レーアちゃんくらいなら、あのお腹の上で寝られそう。
近づくにつれて、大きないびき(と寝息)の中に、小さな楽の音も混じってるのに気づく。ゆったりとした太鼓の音や、抑揚のあまりない笛の旋律で。事前に警告されてたけど、じっとして聞き入ってたら、眠ってしまいそうだった。
それとこの気温。村に入ったときから、真冬を越したというにしても暖かいと思ってたけど、幻獣カーリゴンの近くはほとんど春だ。
ぬるい空気のなかだというのに、アタシは緊張してきてる。
「あの楽師たちの中に、いるんだったね。」
囁き声で再確認すると、アタシの脇を歩いてるテイ=スロールが静かに頷いた。黙ったまま、耳元を指さす。アタシは自分の耳元に指をやる。そこに揺れてるのは、色硝子の玉がついたイヤーカフ。
アタシはできるだけのんきそうに、大きめの声をだす。
「だいじょうぶさー、アタシは胆がすわってるからー。」
どうかな? とテイ=スロールを見ると、バッチリだったらしく親指を立ててくれた。片手にはなんでも入る鞄、もう片手には紙をいっぱいはさんだ台板と、携帯筆記具いれ、とけっこう大荷物。
彼の帽子からは、飾り紐でアタシのと同じような色硝子が吊るしてあって、ちょうど耳の横に揺れてる。これで魔術装置『双子の声』は動作確認できたってこと。
広場の一角、椅子とテーブルを設置して、柱と布で囲って簡易風除けにしてあるのが、楽師たちの居るところ。そこに歩いていきながら、アタシは大きめの声を維持する。
「わああ、ほんとうにでっかい。さわっていいかな? いいかなっ?」
「マーエ、もうちょっと静かにしたほうがいい。」
心得た顔でメバルさんが袖を引っ張る。これも演技の一環。
「えー、でもぜんぜん起きる気配ないよー」
『カーリがカーリゴンになった』時は、寝ながら食事もとるくらいのぐっすり睡眠だって聞いたもんね。響きわたる寝息がぜんぜん乱れてない。
そうこうしながら囲いをくぐっていくと、交替制で演奏してる楽師たちが見分けられるようになってきた。9人いるうち、後ろの椅子で待機してるのが3人、調弦とかしてるのが3人、布の縁のした、幻獣カーリゴンに近いところで演奏してるのが3人。
後列のうち2人は、毛皮をまきつけるようにして半分寝てるけど、1人だけ、近づいてきたアタシのほうを無遠慮に見てるやつがいた。
要注意人物のえーと、■■■っていう……三文字の……そうだよ名前覚えてないよ!
いいんだよ、今回はちょっと知性の低い感じの客人キャラでいくから!
ボリスとヨアクルンヴァルは、これから村を護衛する戦士たちと会議と教練。メバルさんはレーアちゃんを連れて、神職たちとの会談があり、テイ=スロールも書類を山ほど抱えてるから、別棟の建物へ。
アタシはわざと「じゃあまた昼のごはんで会おうねえー」と大声で言って、また「声が大きいよ」とたしなめられる。それは控えの楽師たちにも聞こえただろう、例の人物の視線が小馬鹿にした感じになる。
おう、どんどん馬鹿にしてくれ。
アタシは簡単につけこめそうだろ?
手持ち、残り銀で5919(+19000)枚と銅0枚。
いよいよカーリゴン登場です。
ポケスリのせいじゃないんです、本当にポケスリ始める前からこういう造形を考えてたんです。
となりのなんとかロ、好きでしてねぇ……。
お読みいただきありがとうございました。




