表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
残り銀貨500枚からの再スタート  作者: 切身魚/Kirimisakana
151/178

ちょっとした驚き2つ

手持ち、残り銀で5919(+19000)枚と銅0枚。

朝ご飯のぶん、ちょっと手持ち銀貨が減ってます。

『上級者向け触手BL』と設定は一緒ですのでこういうことになりました。

牛、馬、といった獣は≪祖獣≫と呼ばれ、獣人たちから特別な信仰を集めています。

 雪がちらつく道を、コートしっかり着て歩く。ご飯の屋台やら、冒険者むけの店は小さな灯火で営業してて、薄暗い街路に明かりの小舟が浮かんでるみたいだ。

 寒さを追い払うように速足で歩いていくと、『花冠をつけた祖獣の頭』の紋章が、灯りの中に浮かび上がる。三階建ての建物、スロール商会の店舗で、魔術師ギルド≪豊饒の大地≫だ。店舗の入り口は閉まってるけど、脇の戸口から光がもれてて、ノックするとすぐ、魔術師の帽子かぶったひとが開けてくれた。

 案内にくっついて通路を通り、真っ暗な中庭を抜けて、奥のほうの倉庫みたいな大きい建物へ。入ると、火とは違う、日の光とも違う真っ白な光でいっぱいの空間だった。

 広いんだけど、右の壁際には荷でいっぱいの車が五台寄せてあるし、奥には石造りの≪転移の門≫がどーんと構えてて、圧迫感がある。左手にも、柱と柱の間に布を垂らした間仕切りがいくつもあって、荷物やら空の車や手押し車、箱の類がいっぱいだ。あたりはいい香りがして、花みたいな果物みたいなふわっとした感じの空気に、少しだけ木材や埃っぽさが混じってる。

 眩しくはないけど、他の光源が必要ないくらい明るい≪門≫ の前にいた一団から、


「お、来たねっ」


 ヨアクルンヴァルが声をかけてきた。


「遅れちゃったかな?」

「いや全然。」


 そういやヨアクルンヴァルと、ボリスしか見当たらない。メバルさんは昨日、体調悪そうだったな……、と思ってたら。


「メバルも居るのだー」


 何か甲高い感じの声。探すと、≪門≫に一番近い荷車の台から、手袋した手がひらひらしてた。

 違和感に引っ張られるように、アタシは荷車に近寄ってみる。

 お腹の上に布の包みを抱くようにして座ってる僧侶を目にして、声に感じた違和感が決定的になった。眉の間に縦じわが寄っちゃう。


「んん? んー……」

「あの、あのね、マーエ」


 何か言ってるけど、それより速くアタシはボリスを問い詰めた。


「メバルさんの骨格とかが変なんですけど。ていうか肉付き全般が違う。高度な変装にしても、何か、なああああんんか、おかしくなぁいー?」

「えぇっとですねぇ」


 とぼけようか迷ってるようなボリスをどうとっちめてくれようか、と思ったらコートの裾を引っ張られちゃった。 


「それ。説明すると言ってる! 聞いて!」

「はい。」

「あのね、獣人は、祖獣の加護をたくさんもらったら、≪真獣形態≫になれる。半獣形態、一部とかのや、ほとんど毛皮全部みたいなのもあるけど、もっと本物になるのある。」

「ありますね?」


 それとコレがどう関係あるのか、半信半疑で疑問形になっちゃった。けどメバルさんは、アタシが理解したもん、という感じで頷くと続けてくる。


「獣人は、祖獣のからだと、ひと姿のからだ、加護あったら問題なく入れ替える。

 メバルの一族も似てる。男のからだと、女のからだ。144日で入れ替える。魔力高いと、周期変わるのこともできる。昨日からの半日かけて、女性形になった。なったら、月のものが来てちょっとキツイのだ……」

「ああ、それ温石なんだ」


 お腹に抱えてる布包みに目をやると、僧侶(女僧侶っていうべきかな)はこっくり頷いて、


「向こうに着くまでこうしてる。」


 丸くなってしまったので。

 「うん。お大事にね」って言うと、ドアのところにひとの気配があった。

 やってきたのは、眠そうなレーアちゃんを片手に引いて、もう片手には≪なんでも入る鞄≫を提げたテイ=スロール。それに続いて、スロール商会の紋章入り前掛けをつけた男女が6人。この人たちは荷車に積んだ荷物のチェックを始めたし、アタシ達もなにかしようかな。レーアちゃんの相手とか。決して、ふわふわ巻き毛を撫でたいだけじゃないのだよ? 小さい子だから心配なだけだよ?

 逡巡してると、仕切りのひとつから仲間に呼ばれた。近づくうちに、花みたいな果実みたいな、甘い匂いが強まって、中に居るのは騎獣……ていうか、


「お花かぶった幻獣?」

「説明します。こちらは幻獣フローグ、当商会のマスコットにして守護獣です。」

「花冠と背中にも花輪を載せてるのは?」

「そういう幻獣です。」


 うん、とひとつ頷いたテイ=スロールが、祖獣『牛』に似た幻獣の耳脇に垂れるツタ植物を持ち上げて、見せてくれる。ツタの根元は、黒い毛の中に埋まってる。っていうか、そこから生えてるのかな。

 どれどれ、と近づいてみると、幻獣が大きな黒い目でアタシを見つめて、ぶふん、と鼻を鳴らした。そのとたん、すごい花の香り。


 あっ、この幻獣の体臭だったんだ?


 ちょっとした驚きは、頭のなかに響いた声にかき消された。


『あなたもげんじゅうですね?』


 頭の中に響いた音が、言葉として繋がらなかった一瞬が過ぎて。知的なアタシが活動し始める。

 あなたって誰のことだろ。

 というか、この声って誰の?


「説明します。フローグは≪心話しんわ≫を使って会話する、知的な幻獣です。」


 テイ=スロールの声がやたら遠く聞こえた。


『あなたも幻獣ですよね』


 繰り返される言葉。

 念を押すように。

 アタシを凝視する、大きな瞳。

手持ち、残り銀で5919(+19000)枚と銅0枚。

村にたどり着く前なのに驚くことがでてきました。

私事ながら、キーボードスライダーを装備しましたので、タイピング環境が向上しています。REALFORCE RGB(廃盤の二色形成のやつ)は良いぞ。


お読みいただきありがとうございました。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ