表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
残り銀貨500枚からの再スタート  作者: 切身魚/Kirimisakana
128/177

前衛は体力おばけ

手持ち、残り銀で4890(+12000)枚と銅2枚。

この世界、印刷技術は木版がありますが、手作業の写しも共存してます。

 チーム『ゆるふわ』に呼ばれたキマルとヒョウムにくっついて、アタシたちもお邪魔することになった。

 出迎えてくれたのは、シバ…じゃなかった、シジラさん。新婚さん2人がビヌトゥアから降りるや否や、走り寄って。


「無事で良かった」


 もうそれしか言えない。って感じで、キマルとヒョウムの肩に手を置いて、ぎゅうってハグしてた。

 他の『ゆるふわ』メンバーにビヌトゥアと荷車、ほかの荷物を引き渡した後、会議室に案内されて。そこで今回の旅の経過や、屋敷での呪いの話とかを色々説明した。

 シジラさんと、もう一人、書記官かなってくらい、ペン動かすのが速い女性(ナントカ派の魔術師ですって紹介された)が、アタシの話をサカサカサカーって書きとっていく。テイ=スロールと同じか、それ以上かな。

 アタシの話が終わるのとほぼ同時に、「できました。」ってシジラさんに紙の束差し出して、って凄くない?

 それをさっと読んで、シジラさんはテーブルに肘をつく。


「≪叫星組≫の悪さにはまったく底が無いな……。」

「うん、それは同感」


 説明でも言ったけど、あの呪術師。詐欺にかけられてる自覚なかったな。

 師匠の借金が弟子に及ぶとかちょっと考えられない話だし、証文の控えをもらえてないとかもあんまりだった。

 係累がいたら何とか形見渡してやりたいけど、それは後でもいい。てか、あまり実現しなさそうだなとは、自分でも思ってる(お焚き上げになる公算のほうが大きい)。

 ≪万神殿≫経由で、詐欺師を面通しするのは明日以降だし。キマル達はお金を幾らかだして、書類を複写させてもらってた。写すのは少々手間だけど、自分たちで報告書を書き上げるよりははるかに楽だもんね。

 孤児院に行く新婚さんと別れて、アタシ達4人はちょっと顔を見合わせた。

 一人ぶんの分け前は、銀貨208枚と銅貨2枚で、すっごい儲けとはいいがたかった今回のお出かけ。

 まだ午後の早い時間で。


「あのさ。この後まだ暇があるなら、行ってみない?」


 どこ、って言わなくても皆に通じた。


「平和な旅で、体が鈍ってしまった気がします。」


 ボリスが首を回してると、ウィザードが不思議そうな顔をする。


「疑問ですが。あれで鈍ったとは到底思えないですよ?」

「あ、アタシもそれは思った。」


 帰途は特に街道ぞいだったから、戦闘なんてほぼ無くって。前衛二人は、体が鈍るからー、って休憩時に『軽く』運動してた。

 アレは……全然軽くなかったと思う。

 例えば、ひとりが大きく手足を広げて立ってるところに、もうひとりが腕や足を手掛かりに登ったり(つまり相手の全体重がかかる)。あとボリスは「瞬発力が大事」と言って、ヨアクルンヴァルを投げ上げてたり。投げ上げてる間に体勢入れ替えて、逆立ちした足底で受け止めたり(でもって足の力で投げ上げてたり)。

 アタシも投げ上げてもらったけど、二階の屋根より上まで投げ飛ばされるのは、勇気を試される経験だった。何回もやるうち面白くなってきてから、空中で回転してみたり、体をひねってポーズつけてみたりもできるようになったけど。

 キャンプ地でそれやった時は、休憩してた別のグループからやんやの喝采とおひねりをもらってしまった。

 体が鈍ったかどうかは、ほんとはどうでも良くて。『コリウォンの迷宮』での勘が鈍ったかも、っていうのが理由だろうな。



 二層『夜』とかに潜るのはナシで、一層『迷宮』だけ入ることになった。

手持ち、残り銀で5096(+12000)枚と銅2枚。

手に入れた分から銀貨2枚減ってるのは、伝言とかお茶代とかです。


お読みいただきありがとうございました。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ