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残り銀貨500枚からの再スタート  作者: 切身魚/Kirimisakana
127/177

約5日かけて帰還

手持ち、残り銀で4970(+12000)枚と銅5枚。

帰途とその後のお話。


02/07/2023 誤字を修正しました。

 夕飯のあと。旅の間に食べなかった甘味や、ショコア豆を新婚さんに贈呈した。

 さてはこれって、売れたらいいけど、売れなかったら持って帰るより、贈るつもりだったな?(アタシもだけどさ)

 その日は、客間の2つをお借りして休ませてもらった。


 でもって翌日。午前いっぱいを費やして、畑をまたいだ所にある小作人の家をまわり、説明して回った。

 2人が元気なのを示すのは大事だし、呪いが解けたって説明は僧侶がしたほうがいいだろうってんで、アタシたちも一緒に。それと説明に加えて、キマルとヒョウムがしばらく留守にするよって話もした。

 まず詐欺師の面通ししなきゃいけないし、≪転移の座標石≫だってこのまま使い続けるのは危険だ。メンテナンスに出さんまま、ウッカリ作動させてしまって今度こそどうにもならない極地へすっ飛ばされー……ってなるかも知れないんだから。

 メンテナンス費、ボリスさんが「正規品なら一回あたり銀貨で二千くらいです」って言ってたけど。キマル達が持ってるヤツはそもそも正規品なのかどうか? ってところからだ。幾らになるんだろう。

 そのへんのお金をどうするか? って話も含めて、二人ともク=タイスに行くしかないね、ってなったのだ。

 昨日、道を教えてくれた小作人は、元気な2人を見るなり一言、


「亡霊……?」


 とか呟いてた。持ってた鎌落としそうだったのが、ちょっと面白かった。

 本人たちちゃんと生きてることを納得させて、引き続き畑のお世話をお願いして。もともと契約だからってんで、どっちの家でもそれは快諾してくれた。(おすそ分けの甘味はすごく役立った。こういう僻地じゃ貴重品だもんね、分かるよ。)

 帰り道は、地所から街道2本の合流地点まで遠回りして、ク=タイスまで続く街道にでる回り道。ご両人は無事だって分かったんだし、そんなに急がなくて良いな、って。例の追いはぎ村は、もう通りたくないからなぁ。

 荷車から尻攻撃されたり、宿で部屋割りしようとしたら結局部屋足りなくって、暖炉の前の床に雑魚寝になっちゃったり。ちょっと珍しい幻獣に出会って、ぶち倒すしかないかって思ったら、ヒョウムが意気投合して仲良くなっちゃったり。


 こんな感じで、帰りの旅は、誰も大怪我せず、追いはぎにも遭遇せずにおおむね平和。

 5日かけてク=タイスに戻って、新婚夫婦はアタシと同じ下宿屋に再契約。以前使ってた部屋はまだ空いてたからちょうど良かった。

 着いたのはほぼお昼の鐘が鳴る頃。下宿屋だと騎獣留める場所がないんで、金熊亭に留めて皆でご飯しつつ、街の子にチーム『ゆらぽわ』への伝言を託す。

 伝言託した子が走ってくのを見ると、あー、街に帰ってきたなぁ! って気持ちがぶわって湧いて来る。街の方が色々臭いけどさ。

 返事が来るのを待つ間、皆で……主にテイ=スロールが……会計処理を頑張る。「紙が溶ける」という言い方のとおり、繊維紙が次々埋まってって、計算の結果を積み上げたところ。


「報告します。銀貨にして657枚の利益がでました!」


 この後、チーム『ゆらぽわ』に使用料払ったりもしなきゃなので、このまま山分けって話にもならないんだけどね。

 お互いに凝った肩を揉んだり、お茶の追加をしたりしてると、キマルがアタシの肘を指先で叩いた。


「なーにー?」

「誰かいいひと出来た?」


 お茶を吹くかと思った。

 けど、キマルはにっこり、てか何かを期待するような感じで顔を寄せてきた。


「だってさ。見てたぞー、夜見張りのとき。ポケットから紙を取り出して眺めてたの。アレは何だ! 恋文か? ラブなレターってやつですくぁ?!」

「ちちち、ち、違わっ」


 声を潜めているものの、これは間違いなく問い詰めてきてる。

 言えない。

 リクミさんの名前を書いてもらった紙を見て、名前をちゃんと覚えるぞー、って声に出さずに繰り返し読んでたとか。あとで街に戻ったら色々とか考えながらニマニマしてたとか。

 絶対、言えない!


 そんなアタシの焦りを眺めて満足したのか、キマルはふふっ、と小さく笑って。


「まっ、頑張りなよ。同年としちゃ、マーエがどっちになるのか気になってたし。」

「うん……。」


 まさかとは思うけど、「マーエが将来、男になるか女になるか」で賭けとかしてないだろな?

 疑念はちょっぴり生じたけど、「応援するよ。何かできることあったら言ってよね。」とか肩をぽんぽんされちゃったからには。お礼のひとつも言うべき……かな。


「ありがとね」

「ん。ヒョウムと一緒になるまで世話んなったしさ」

「ていうか、一緒んなった後まで世話してるよね? 呪われてるしさぁ。気づかないしさぁ。」

「それは言わないでーー!」

 

 ゲラゲラ笑いながらじゃれ合ってると、伝言の筒をもった街の子がやってきた。

手持ち、残り銀で4890(+12000)枚と銅0枚。

手持ち金額はまだもろもろの支払いが済んでから書き換え予定です。


お読みいただきありがとうございました。

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