新たな青春の在り方ここに登場
音ゲー。それは常に自分の限界を試すもの。
この世界には、それをこれでもかとプレイする「音ゲーマー」が存在する。
そんな中でもさらに力を入れているプレイヤーは、フルコンボだけでは満足せず、オールパーフェクト。つまり、その譜面を完全に理解することまでこなしてしまう。
俺(名前は佐藤佳太、前園高校の2年生男子、今までの人生で彼女がいたことはなし)は、自分を超えるために日々音ゲーをプレイする音ゲーマーだ。だが、普通の音ゲーマーとは格が違う。
プレイした譜面は必ずオールパーフェクトで終わり、誰に見せるわけでもないが、魅せプレイも十分できる。
そんな俺は今、少しばかり困っている。
「なー頼むから陸上部入ってくれよー」
阿島瑠衣、こいつは何故か去年から俺を無性に陸上部に入れようとしてくる友達(?)だ。
放課後で授業の疲れが残っているというのに、めんどくさい。
「いや、運動とか全然できないし、したくないし、2年生から入るとかハードル高すぎでしょ」
「そんなことはどうだっていい!」
「俺はどうだってあるんだけど?」
「お前には常に高みを目指す強い心があるじゃないか!」
「えと…音ゲーのこと?」
「そう!」
「音ゲーは俺が好きでやっていることであって、したくないことには俺とことん努力しないけど?」
「うぅ…」
こいつもしつこいよなー、どうしてそこまで俺を陸上部に入れたがるのか全く理解ができない。
「俺を誘って時間使うくらいだったら、自分の練習してたほうが有益なんじゃないの?」
「そうだな。んじゃ、また声かけるから!」
(お、意外と素直。だが、)
「二度と声かけなくていいでーす」
と、半分冗談めかして返す。
「さてと、始めるか」
俺はすぐにスマホを取り出し、ある音ゲーアプリを起動させる。イヤホンをつけ、三度深呼吸して視点をスマホ画面に一気に集中させる。
「(よし、準備おっけー)」
曲を選択してプレイする。プレイが終了する。また曲を選択してプレイする。終了する。プレイする。終了する。プレイする………
「今日も全曲APしたな」
「あ、やっべもうこんな時間だ」
教室の時計の針は最終下校時刻を指していた。
音ゲーしてると時間はあっという間に過ぎるなと改めて思う。まあ、あっという間に感じるのも楽しくてついつい集中しすぎちゃうからだけど…
瑠衣も陸上やってると時間が過ぎるのををあっという間に感じるのかな。
「おーい、はやく帰れよー」
見回りの先生がやってくる。
「はい、すぐ帰りまーす」
パッパとスマホとイヤホンをカバンの中に突っ込み、教室を出た。
俺は自転車を使って登下校している。学校からはそんなに近くないが、通学路が川沿いなので川の流れを見て癒されたいという何とも雑な理由で親から許しをもらった。
「帰ったら目隠しのハンデつけて音ゲーするかー」
そんなことを呟きながら俺は今日も帰路に就くのであった。
初めて小説を書きます。
自己満足で終わるのではなく、様々な人に読んでもらえると嬉しいです。