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閑話 センパイが寝ると超大変ッス!! 1

 こっそりみんなでした打ち合わせ通りに全員でお休みとセンパイに言うと、それとほとんど同時にセンパイの姿が消えたッス。なんか死ぬみたいな消え方でちょっと心配になって来たんスけど。センパイ、元々が幽霊みたいな感じだからなーとか思っていると、なんだか身体に違和感があったッス。あといきなりみんな縮んだような?


 首を傾げてると、隣にいるシルさんに袖を引かれたッス。そっちを見ると、なんでだか微妙な顔をしてたッス。


「あ、あの、ルナ様……」


「なんスか?」


「先ほどまでとお姿が違うと言いますか、その、初めてお見かけした時と同じお姿になっていらっしゃるのですが……」


 んーと、シルさんと初めて会った時って言ったら……あれ? いつだったッスっけ? あ、そうだ、確かこの世界に来てすぐだったッスね、うん。あの時のあたしの見た目って言ったら……


「ぎゃあっ!?」


 え、もしかしてもしかしなくても戻ってるんスか!? なんで!? 慌てて辺りに鏡とかないかなと探したけど、なかったッス。あ、そうだ泉見ればいいんスよ!


 急いで水面を見ると、懐かしいけどあんま思い出したくないあたしがいたッス。ムダにおっきい……落ち込むんスけど……ていうか、勝手に元に戻るとか意味わかんないッス。きょうてんごうちッスよ!! ん? しょうてんどうちだったっけ? いやそんなことはどーでもいいッス!!


「これどうしたらいいんスかね!? てかなぜに!? シルさんとかなんとかできないんスか!?」


 振り返ると、シルさんは困った顔で、クロくんとみっさんはキョトンとしてて、フィーさんは驚いてたッス。


「申し訳ありません。わたくしにはルナ様のお姿を変えるのはムリだと思われます。幻術自体は使えるのですが、風の魔法で周りの空気を歪めて見え方を変える方式のものなのですが……それではルナ様を風の檻に閉じ込めるような状態になってしまうのです」


「く、クロくんは!? 時間戻すとかできないんスか!?」


「しょ、しょーせーができるのは止めるくらいで、戻すまではできないであります……ふがいないのであります……」


 うぅ~、ダメだったッス。てかなんで戻ったのか謎ッス。


 全力で落ち込んでると、さっきまで不思議そうな顔だったみっさんがいつの間にか近くにいたッス。


「んーと、るーちゃん?」


「そッス、ルナッス……」


「ん、じゃあ問題ない」


「いや大アリなんスけど!?」


「るーちゃんは、おっきくてもるーちゃん」


「あたしは大きくなりたくないんス!!」


「るーちゃん、大人イヤ? るーちゃん、大人になったからおっきくなった、じゃない?」


「違うんス!! これは成長とは違うものッス!! 少なくとも、あたし的に不歓迎なベルトルの変化ッス!!」


 むしろ縮みたいんスけど。切実に。昔っから歳よりおっきく見られて色々大変だったんスよぉ……学校でみんなと同じような喋り方してると外で余計大人扱いされるから、ガンバって年下っぽい喋り方研究したりとかしたくらいイヤなんスよ。


 はぁ……文化祭の時に着物でみんなと同じくごきげんようって挨拶したら、保護者の人に保護者扱いされて奥様って呼ばれたの、未だに軽くトラウマなくらいッス。だからせっかくちっちゃくなれて、誰も大人扱いしないから嬉しかったんスけど……


 懐かしイヤな姿に膝を抱えてると、みっさんを困らせちゃったみたいでちょっとしょんぼりしてたッス。


「うー、るーちゃん、ごめん」


「いや、謝る必要はないッスよ……なんで突然戻ったのかとか、ちょっと昔のクラッシュバックに落ちこんでただけッス……」


 どういう理由であれ、みっさんには関係ないッスからね。言ってもしょうがないッス。どうやってまたあの姿になるかが問題ッス。


「あの、戻る方法に心当たりはありませんが、そのお姿になった理由はおおよそ見当がつきます」


「マジッスか!? なんでッスか!?」


「先ほどまでのお姿は、以前ミーシャ様が魔法で作り上げたものだったと記憶しております。ミーシャ様がお休みになられたので、その効果が切れたのではないかと」


 あー……そういやそうだったッス。あれセンパイの魔法だったッス。え、てことはあたしセンパイ起きて来るまでこのまんまッスか!? 超イヤッス!! こうなったら、一刻も早く変身魔法覚えるしかないッス!!


「ガンバるッスよ!!」


 決意を新たにしたら後ろのみんながなんか驚いていたッスけど、説明はあとッス!! とりあえず、一回帰ってグリモワ取って来て魔法探すッス!! 魔法特訓編的なの始めるッス!!


 全速力で家に向かって走り出すと、後ろから「ちょ、ルナ様!? 突然なにが!?」とかなんか聞こえた気がするッスけど、今は止まっている時間が惜しいから後でなんとかすることにしたッス。


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