ホピ族の言い伝え・第4の世界の創造と繁栄と破滅の予言
「ソツクナングは、第四の世界の人々に向かって言ったのです。
”この第四の世界は完全な世界である。
かつての世界ほど美しくも肥沃でも楽でもないが
あなた方の行動が選びとれる全てのものがここにある。
そして、あなた方の行動が、創造主タイオワの
意思に沿ったものであればこの世界は永遠に繁栄するが、
しかし今までのように堕落すれば世界を滅ぼすことになる”
こう言い残し、ソツクナングは姿を消したのです」
「ふむ、人類はまた一からやり直しになったわけですか」
「はい、そうです。
そして私たちが暮らすこの世界がこの第4の世界です。
人々が内陸へと入っていくと、ハンサムな男がに出会いました。
彼の名はマサウ、この世界の守護者であり案内人であり世話役です。
人々はマサウをにこの陸地に住むことを許可を得て
マサウは彼らが永住の地を見つけるまで、
この地球の背骨と呼ばれる大陸をくまなく移動して見つけるように命じ、
人々は4つの集団にわかれて移動をはじめました。
多くの民は途中で脱落し、その土地に住み着いてしましました。
しかし、我々ホピの先祖はマサウの命令を守り抜き、
やがてここにたどりりつきました。
我々の先祖はマサウと再会し、この世界が世界が
前の世界と同じように滅びるまで、
この場所を守りぬくことをマサウと契約したのです。
この時、マサウに与えられたのが平和民
という名前です」
「なるほど、ホピという名前の由来はそこから来たのですね」
「はい、そしてマサウは我々の先祖に、こう伝えました。
一つ目・母なる大地を大切にせよ、そうすれば大地もあなたを大切にしてくれる。
二つ目・兄弟を大切にせよ、そうすれば兄弟もあなたを親切にしてくれる。
三つ目・必要なものは取りなさい、しかし必要以上に取ってはいけません。
四つ目・持てるものは皆で分かち合いなさい。
五つ目・創造主タイオワに常に感謝を捧げなさい。
そして私たちはその言葉を守り続けながら生きてきました」
「なるほど素晴らしいことです。
「しかし、マサウはこうも告げています
”石の川の上を馬の馬車のいない馬車が走り回るだろう。
動く鉄の家が鉄の蛇の上を走るだろう。
空の上を飛ぶ乗り物が飛び回るだろう。
張り巡らされたクモの糸を使って遠くの人と話し合い、
何もない空間を使って言葉を伝え合うだろう。
やがて、第一の炎の輪の中でのおそろしい戦いが始まり人がたくさん死ぬだろう
しばらくすると第二の炎の輪の中でも戦うだろう。
そのとき白い兄弟たちはとてつもなく恐ろしい広口びん一杯の灰を発明するだろう。
この灰は川を煮えたぎらせ、 不治の奇病をはやらせ、大地を焼き尽くして、
その後何年も草一本生えないようにしてしまうだろう。
その戦いが終わったあと、月に行く者が現れ、何かを月から持ち帰るであろう。
こうなったときタイオワは第四の世界を滅ぼすことを決意するだろう。
そして滅びの時期は、白い兄弟が空に大きな家を作るときである
地上では第3の炎の輪の中ので大きな争いが起こり
飢えと病と火と水によって世界は滅ぶであろう”
と」
これらの世げのうち殆どは既に当たっていた。
石の川の上と言うのは舗装された道路
馬のいない馬車というのは自動車
空の上を飛ぶ乗り物は飛行機
張り巡らされた蜘蛛の糸というのはインターネットと電話回線
第一の炎の輪は第一次世界大戦
第二の炎の輪は第二次世界大戦
とてつもなく恐ろしい広口びん一杯の灰は原子力爆弾
そしてアメリカは月に行って戻ってきたし
空に大きな空というのはその時建設されていた
ISS国際宇宙ステーションじゃないかと言われていたな。
「この地面には、使い方によっては
人類を滅ぼしてしまうであろうものが埋まっていると言われています。
人類がこれを争いではなく平和に利用することが出来るようになるまで、
我々はこの場所に留まりこの土地を守っていくようにしなければなりません。
そしてまた、空から灰のびっしり詰まったひょうたんが降ってきたら、
ホピ族に伝わる予言を広く世界に伝えるようにしないといけないのです」
グランドマザーの言葉に俺は頷いた。
実際、アメリカ政府がホピの住む土地のこの地下のウラニウム鉱脈からアメリカは原子爆弾を作り上げ、広島と長崎への原爆を投下した。
これを知ったホピ族の長老たちは、国連で予言を発表しようとしたが、2度拒絶され3度目の1976年になって、ようやく国連総会で演説することができた、しかし、結局多くの人間はホピ族の神話を知らないままだ。
「創造主マサウは言っています。
マサウは西から非常に多くの冷酷な民を世界に広げ、
彼らは大地を破壊し、最後に地上に生き残るのは蟻だけとなる、と」
俺はその言葉に頷いていった。
「ええ、きっとそうなるのでしょうね。
残念ながら人間は同じことを3度繰り返し、
そして4度目も同じようになるのでしょう。
悲しいことですが」
グランドマザーは俺の言葉に黙って頷いた。
彼女には多分見えるし聞こえるのだろう、カチナがこの世界の荒廃を嘆いていることを。