始まりってなんだろ?
ホント始まりってなんだろ?
僕等の話の始まりは、
立春。まだ全然寒さが残る春初めのこと、
勿論僕は、高校初めで緊張を見せていたのだが、
「次は小鳥遊 祐さん。」
次へ次へと急ぎ足で回る名前、とうとう僕の番だ。
「はい!」
少し期待と気合を入れ返事をする。
そりゃそうだ。なんて言ったって新しい春の始まりなのだから。
「僕の名前は小鳥遊 祐です。これからよろしくお願いします。」
ま、と言っても適当に済ませるのだが。恥ずかしいじゃん。なんて。
そんな感じで回り、
「はい、じゃぁ、高橋 つぼみさん」
「はい。」
透き通った声は天使のような声だった。
思わず振り返ると、そこには黒髪の子供のような顔つきの少女がいた。
「高橋つぼみです。よろしくお願いします」
クラスは僕と違い拍手と声援で満たされた。
なんの声援?そんなの決まってるでしょ?「これから学校生活頑張って」と、「こんなに君のために声出したんだよ。願わくば付き合ってください」の二つでしょ。
「なんだろ?知ってる。」
小声で呟いた。
頭の中では何かがかかり、違和感を覚える。
「ま、いいか」
その後、1時間目が終わり、2時間目に入ろうとしているとき、
「ねぇ?」
後ろから声がかけられる。
先程も聞いた声だ。多分高橋さん。
振り返るとそこには予想どうり高橋さん。
「えっと、呼びました?」
「えぇ、あなた以外には呼んでないわ」
えっと、期待していいのかな?
「そう?で、何か用ですか?」
「えぇ、用無しに呼び止めないわ」
ですよね~
「それで?」
「うん、単刀直入に言うわ、今日の放課後付き合いなさい」
………
僕の耳はいつから壊れるようになったんだろう?
少なくても学級一位の彼女に「放課後付きなさい」なんて………
まぁ、過度な期待はよそう。
「はいはい。なんの嫌がらせですか?」
「別に嫌がらせではないのだけれど………」
「そう?ならイベント?」
「なんの?」
「勿論嫌がらせの」
「―――はぁ、いいから付き合いなさい。放課後、校門前。」
そう言い、彼女は廊下の人ごみに消えた。
その姿は誰が見ても格好がついていた。
教室こっちなのだけれど………何しに行ったんだろう?
放課後。
どうする?校門通るか?それとも裏門から………
ま、校門から出るか………居るか居ないかの確認だけでも………ま、誰かいたとしても帰る道がこっちの方が近いからとでも言えばいいだろう。
校門に出ると、門にもたれかかる彼女がいた。
やはり絵になるのな。
「や、やぁ、」
彼女に声をかける。
「あら、遅いじゃない?同じ教室なのだけれど。」
校門か裏門か迷ってたなんて言えない、死んでも。
「どうせ迷ってたんでしょ?正門か裏門か?って」
図星をつかれた。うわ、ばれてるな。化かしきれないか。
「はい、そうです。」
「ま、妥当だわ、その考え。80点」
「え?」
80点ってことは褒められたのか?意味わからん
「じゃ、行きましょ」
そう言いリードするのは高橋さん。
完全にリード権取られたな。
あー、こう言うのは男がリードするもんだ――――――――って、デートじゃ無いんだ~そんなこと考えなくてもいいだろ‼
そんな感じで僕らの日々は始まった。
知ってたら教えて‼