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名乗りと告白と耳ジンジン

「さて、私の名を名乗っていなかったな・・・ 一食の礼に名乗っておくとしよう」


 『うどん』を食い終わった後、唐突に段ボールさんが立ちあがった

・・・でも、段ボールさんも変なこと言うよなぁ・・・


「えっ、段ボールさんは『段ボールさん』でしょ?」

「・・・それは貴様の中での私の名称だ!」


 若干、不機嫌モードがぶり返したみたい・・・

 だって表情(?)が怖いもん・・・


 段ボールさんは咳を一つして、仕切りなおす


「私の名前はエルピス! 人の手に委ねられた唯一の善にして、希望の女神、エルピスだ!」


 大事なことなので二回言いました

 ここテストにでますよぉ~


「私の目的は唯一つ、パンドラの奴が解き放った禍悪共を、パンドラの代わりに連れ戻すことだ!」


 誰でも知ってるギリシア神話の一つが、『パンドラの箱』だろう

 中学時代、軽い厨二病を患っていた俺は、ある程度神話には詳しいのだ

 それが理由でボッチだったわけでは無い!


 そして段ボールさん、もとい『エルピス』さんが名乗った名は、パンドラが箱から禍悪を解き放ったとき唯一、箱の中に残った女神の名だ。

 パンドラの物語で勘違いされやすいのは、もともと禁忌箱(箱のこと)の中身は悪いものしか入っていなかったと思われがちな所か・・・

 諸説あるが、『エルピス』みたいに『希望』も入っていたりするし、バブリウス『寓話』では逃げたのは禍悪ではなく『祝福』とされてる。


 彼女が本当に神様なのか、俺は今の所は疑っていない

 逆に、俺の脚を直した素敵能力や、人間離れした馬鹿力、美し過ぎる美脚もこれで説明できる・・・

 なにぶん、神様とかテンション上がるし、その方が面白いしなwww


 だけど、全部肯定した上で、尚、気になるのは・・・


・・・何故、段ボールから出てこない?・・・


 まぁ、ちょっと仮説はあるんだけど・・・

 前にも聞いたが、もう一度聞いてみようか


 俺は元気良く手を挙げた


「なんだ!? いきなり手を挙げてよって、何事だ!」

「エルピスさんに質問です」

「なんだ? 言ってみろ」

「何故、段ボールの中に入っているんですか?」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」


 エルピスさんは黙り込んでしまわれました・・・

 なんか凄い、バツの悪そうな表情(?)である

 しかし、今回はちゃんと答えてくれるらしい

 なにやら、ボソボソ呟きだした


「これが・・・だし、私が・・・・・・だからだ・・・」

「えっ何て言いました?」


 マジで聞き取れない


「・・が・・箱だし、・・この・・・・・・・だ」


 さっきより聞き取れなくなったぞ!?


「すみません、もう少しちゃんと喋ってください」


 俺が耳を寄せると

 エルピスさんは大きく息を吸い込んで言い放った


「これが禁忌箱だし! 私がこの中が好きだからこの中に居るんだ! 文句あるかこの野郎!」



 半ば予想通りの回答をした後、エルピスさんは部屋を飛び出してしまわれた・・・


 少しイジメすぎたかな?


 

 

 俺はというと、耳がジンジンして立ち直れませんwww


 

 エルピスさんがやっと部屋をでた!


 長かった、本当に長かった・・・

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