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7日間  作者: 山側 森
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折り返し地点にも行かない火曜日

Ladyなんて表現されてるけど、全くLadyな扱いを受けないお仕事Office Lady。

Gentlemanな同僚を求めるわけじゃない。だけど理不尽さはもっと求めていないのです!


雑用から始まりお茶くみセクハラパワハラに耐えながら仕事に打ち込むと女のくせにと見下されそれでも頑張ってたのに。

頑張ってたのにぃっ…。


「なんで私が飛ばされなきゃなんないのよぉ…っ」


大声で叫びたい気持ちをぐっと堪え、揺れる水面を睨む。

水には癒し効果があるそうだ。今私に必要なのはまさにそれ。

いいのよ森の中に行かなくたって。さらさら流れる有名な清流じゃなくてもいいの。ほら、目の前の水だって照明に反射されてきらきらしてる。……現実、行けないんだから仕方がないじゃない!

だからといってシンクに流れる水道水を見ているのではあんまりだ。仕事場ではたまにするけど。

狭くて小さいシンクより、直径15メートルはありそうな馬鹿デカイ噴水池を見てる方が癒し効果は大きいはず。



畜生なんて言葉、いい年した女性が使うべき表現じゃないって判ってる。判ってるけど使いたいわ。


「ちっ…くしょおぅ」


出たのは小声で。

いくら夜といえどここは駅前、人通りは十分にある。

今とっても大号泣したい。だけど化粧がマスカラが。


「うぅぅ」


さっきからことごとく働く理性が憎い。

これなら家のシンク眺めながら号泣して罵詈騒音叫びまくればよかった?いやいやそれをしては明日からお隣さんと顔を合わせ辛くなる。誰が住んでんのか知らないけど。


「もう、ほんと、ヤだぁ」


週が始まってまだ二日目。折り返し地点にもいってない。

明日も仕事、いつまでも泣きたがって止まってはいけないって分かってる。

だって私は働く女、Office Lady。

いくらLadyと程遠い扱いを受けようと、返す対応はLadyでいてやる。これが女の意地。

見てろよ明日。

かかって来い窓際部署。

闘う女は強いのだ。





・・・だけど今は泣かせてちょーだいっ!!



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