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【The Back Rooms】  作者:
31/55

【Lv.9η 雨の公園】

ドサッと地面に空中から投げ出された。

落ちている途中気を失っていたせいか、投げ出された事実に気づいたのはもう少し後だ。

痛みに耐えながら何とか身体を起き上がらせる。


…服が泥で汚れている。最悪だ。

もう気にしないようにした。



 

此処は雨降る外のようだ。

天気は悪く雨雲が空を覆いかぶさっている。

雨に打たれながら周りを見渡す。


雨のせいで視界は悪いが、何とか見える。

落ちた場所は公園のようで、ブランコや滑り台と言った遊具があり、休憩用のベンチが濡れながら近くにポツンと置かれている。公園の周りを森が囲んでいる。


その近くには、マンホールがひっそりと顔を出している。



 

(マンホールがまるで来てと言わんばかりに見ている気がする)▶︎ https://ncode.syosetu.com/n9780lt/15/


 

 

ふとあの男の姿を浮かぶ。

僅かな日数ではあったがこの世界にいてすごく楽しかった時間でもあった事は確かだった。


なんだかんだ世話になったあの男に、もっとお礼を言えば良かった。もう後悔しても遅いのだが。

 

 

雨にずっと打たれるその姿は、まるで独りぼっちで生き方を知らない生き物のようだ。

 

 

疲れが出たので、ベンチに座って少し休憩をする事にした。休まる訳では無いが、ぐちゃぐちゃの地面に座るよりかマシだ。

 

少し前屈みになりながら頬杖をついて、物思いに耽っていた。

どこか一点を見つめながら何かを考えている。

その目に光が微かしか映らない。


この世界に落ちてから不可解な出来事を心と身体にずっと刻まれている。


少しずつ身体が慣れてきたとは言え、いつ死ぬか殺されるか分からない世界に常時見られている感覚を、君達は味わった事あるだろうか。

死にたいとも生きたいとも思うのにも疲れてきている。

 

 

 

 

…夢を見ているのだろうか。

ハッとして前を見る。


小さい頃の███と、唯一の友達であり親友のKが一緒に遊んでいる光景が見えていた。

親友は前髪が長く、顔があまり見えないタイプの男の子だ。

公園の砂場で一緒に笑い合う二人がいたのだ。

これは現実ではない事を知ってはいた。

だがそれと同時に、懐かしさや言葉に出来ない感情が出てきた。

 

つい子供達に話しかけようとベンチから立ち歩こうとする。が、子供達は笑顔のまま砂のように、風に吹かれて消えてしまった。

そこに取り残されたのはなんの取り柄もない奴。

涙さえも流すような雨が身体全体を冷やしながら包み込む。

 



と同時に気づく。あれは幻覚だ。

ベンチに座って暫くしたらさっきのような夢みたいな幻覚を見ていたのだ。これは罠に近いものだった。

いち早くそれに気づいた。

それが幸運かと言われたらまた別の話だが。

それに気づかせてくれたKに感謝をした。

このベンチには近寄らないようにした。

 

 




雨がずっとずっと降っている。

何時間経ったかも分からないが、この雨はずぅっと雨雲から降り続けている。

視界の悪さも変わっていない。

相変わらず見えにくい。


見えにくいどころか霧も出てきたような気がする。

深い霧が悪さをしないうちにどこか別の所に行きたいと思うが、どっちに転んだとしてもあまりいい結果にはならない気がする。

が贅沢も言ってられない状況だ。


この森に入るか、深い霧の中を進むか、或いはどちらも取らずにこの世界の限界まで歩くか。

さて、どうしようか…?


 

 

 

霧の中を進む事にする▶︎https://ncode.syosetu.com/n9780lt/33/


この世界の限界を見る▶︎https://ncode.syosetu.com/n9780lt/32/


暗くて深い森の中▶︎このまま下へ


 

 

 





 

 

 

 





 

 

 

 

暗くて深い森の中に入り歩く。

空は森の奥深くに行くほど暗くなる。


強い恐怖心を襲う。

何かが出て襲ってくるのではないか。


これで良かったのか、なんて今思っても戻れないのだが。

 

 

やがて雨は気にならない程に小雨になる。

恐怖心を抱いたまま次に見つけたのは、ぽつんと置かれたテントだった。

身を守る物が心細いが何も無いよりかはマシだ。テントの中に入り、テントの出入り口を閉める。

中にはランタンがポワッと灯されており、それが光源としての役割を果たしているようだ。一時的にとは言え、本当の休憩ポイントを見つけた。

安心からか不意に眠気に襲われる。その眠気に抗う事にも疲れていたのかすぐ受け入れ、倒れる様に眠りに落ちた。

 

 

 

 

いつの間にか小雨も止んでおり、この空間にはただ独り取り残されて静かに眠っていた。

ランタンの光に照らされたその顔には、うっすらと涙が流れている。それは見守る月と共に。



(目覚めの時間です)▶︎https://ncode.syosetu.com/n9780lt/13/

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