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【The Back Rooms】  作者:
27/55

【Lv.571η 厳冬の小屋】

玄関付近で落とされ、大きな音と共に床に放り投げ出された。

床に玄関用マットみたいな物が敷かれていた為、痛みは軽減されていた。

落とされる事にも慣れてきた。

ゆっくり立ち上がり、周囲の確認をする。

 

次に訪れた場所は家の中のようで、床は木製フローリング、天井も木製で作られて壁が丸太に近い物で出来上がっている。ログハウスとも見てとれる。

玄関先にはよくある靴箱入れのような物、鉢植えの植物が置かれている。

すぐ近くに扉がある為、その扉に近づき、取っ手に手をかけ開ける。

 

 

 

 

 

 

天井に吊り下げられている電球がパァッと明るく部屋の中を照らしており、何十畳もありそうな大きなリビングルームの中に、今開けた扉を含めて扉が3枚、大きな窓が1枚だけあり、そこから景色が見える。

外は暗く、吹雪真っ最中のようだ。



ソファーと机が1個ずつ部屋の真ん中に置かれており、机の上にティーカップとティーポット、少し大きなスノードームが置かれている。キッチンもあるようだ。特に目を惹き付けたのが火がついている暖炉だ。



寒さに怯える事無く暖まれる!

これ程までに夢に見たレベルが今迄に他にあっただろうか?



嫌な雰囲気も感じないこの部屋で、疲れが取れるまでこのレベルに滞在する事にした。

何があるか把握する為に部屋内探索を行った。

 


まずは火がついている暖炉を見る事にした。暖炉はレンガのような物で出来ており、近づくと火の温かさを感じる。本物の火のようだ。

それに熱くなったら離れたら良いし、体温調整も可能だ。暖炉の上にマッチの箱、横に小さめな薪がいくつか置いてある。

これでここの火は消したりつけたりする事は出来るようだ。



次に残り2枚の扉を開ける事にする。

暖炉近くの扉を開けると、中は寝室となっていた。ホテルにありそうなでっかいベッドがドーンと置かれており、寝る分には十分だ。

端っこに変な区切りをした場所があり、そこの扉を開くとトイレがある。


寝室とリビングルームを繋ぐ扉は開けたままにしておき、もう1枚のドアの方に向かう。



キッチン近くにある扉を開けると、中は空っぽだったが、縦に長くなっているようだ。物置だろうか?

それ以外は何も見つけられなかったので、一旦扉を閉めた。

 

キッチンの中に入る。

スペースはあるが、材料を焼いたり洗ったりするシンクやガスコンロ等はないようだ。その代わり冷蔵庫は置いてある。

冷蔵庫の中は冷たくない。電源コードは刺さってないようだ。中には果物、パン、肉等が入っていた。

さっきまでいたレベルでお腹を満たしていたが、それらの食料を見た直後にお腹の虫を鳴らす。パンを手に取り躊躇いもなく齧る。


その味は地球にいた時と同じ味のパンの味が、口の中にふんわり広がる。

食べられる物と判断し、中に入っていた果物とパン、肉を持って机とソファーの場所まで運んでいく。



机の上には見つけた食材とティーポットとカップ、スノードームが置かれている。ティーカップの中は空でこの中に飲み物を入れられるようだ。

ティーポットの蓋を持ち、中を見ると湯気がポワッと出てきて、何か飲み物が入っている。香りを嗅ぐと、紅茶の香りが漂う。ポットの取っ手を持ち、カップの中に注ぐ。


トポポ…


カップに注がれた紅茶の香りが広がる。

カップの取っ手を持ち、香りをもう一度楽しんでから一口飲む。

少し熱いが味はレモンティーだ。

確かに紅茶の味がする。

もう一口飲んでから、冷蔵庫の中に入っていた食料を食べる事にした。

どれも地球によくある物で、果物はリンゴやブドウ等があり、肉は生肉のまま食べる事に不安を感じたが、食べてみると馬刺しに近い味がする。




暫くの間、このレベルで体力回復をした。

食料は無限に出てくる訳では無いかもしれない。

今置いてある分を大切に少しずつ食べていった。本やテレビが置いてあればもっと良かったのだが、そういった娯楽系統の家具や物は置いていない。眠れなかった分を取り戻すかのようにぐっすり眠り、起きたい時に起きて、寝たい時に寝た。

暖炉に近づけば暖まれる。

外はいつも暗く、いつまでも吹雪が泣いている。

不思議な事に、夢は1度も見る事はなかった。

 

 

 

 

体力回復してすっかり元気を取り戻す事が出来た。心身共に元気になってきたようだ。

ティーポットの中に残っていた紅茶をカップに注いで飲んでいた。暖炉の火は消してあり、此処に落ちてくる前に、タンスの中で拝借していた厚着の上着を着ている。机の上に置かれていたスノードームの土台を手に持ち、その中を見ていた。小さな家が建っており、針葉樹の木が家の隣にある。少し振れば中に入っているラメがその中で舞っている。

 

(スノードームを触りすぎた代償)▶︎ https://ncode.syosetu.com/n9780lt/28/

 

 

すっかり此処での生活が慣れた頃、すっかり記憶から抜け落ちていたあの扉の事を思い出した。キッチン近くにあったあの扉の事だ。

気にも止めてなかったが、何となく気になった。それだけだ。

何にも無かったあの部屋に次に行く為の世界があったりしてー…なんて思いながら扉を開ける。

 




その中に梯子のような物が置かれており、上に登れるようになっている。

見上げると青空が大きく広がっている。

あれ…この中は空っぽだったはずでは…?

見上げながら朧気とした頭でそう思う。


恐らくあれが次の向かい場所なのだろう。正直この部屋から出たくない気持ちがすごく強いが、ここは食料の補充も無い為、底につきかけている事実も揺るがない。どのみちこの部屋から出なくてはならなかった。猛吹雪の中に出るのも御免だ。



1度リビングルームに戻り、何度も深呼吸をする。

気持ちを落ち着かせさっきの所に戻る。梯子に手をかけ、空に向かって登っていく。



登り先▶︎https://ncode.syosetu.com/n9780lt/30/

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