【Lv.15η 草原】
その目にはだだっ広い草原がどこまでも続いていた。
草の香りがほのかにする。
少しひんやりする程度の温度を感じながら、この景色を眺めていた。
空全体が雲に覆われているようで、日光さえも遮られている。過ごしやすい場所ではあるが、遮蔽物がほとんど無いような場所だ。
もし雨や雷が訪れたら、この世界の事だ、何事も無く終わるなんて到底ありえない。
此処はあまり時間をかけたくないなと、一人ブツブツ呟いていた。
大きな木が数本あるだけで、山や丘のようなものも見られない。花や建物などがあってもおかしくないが、そういった物はなさそうだ。
木の枝をよく見ると、枝1本ずつに麻紐が1本くくりつけられており、1本ずつに物品が吊るされている。
ない所もある。
ざっと見るだけでも、いくつか吊るされているのが見える。
・アーモンドウォーター
・アヒルのおもちゃ
・約30cmぐらいの瓶
・錆びた鍵
・枯れた花束
使えそうなのはアーモンドウォーターと、瓶くらいだろうか。かと言ってその中身が安全だとは限らない。
…何故アヒルのおもちゃが、吊るされているんだ…?
目には入っていたが、あえて見ないでいようとした物がある。真っ黒な木だ。
真っ黒に塗りつぶされた木が遠くにあるのは見えていた。だが、異常な気質と不安さから、近づく事に嫌悪感を覚えていた。
空気が変わって少しピリッとしているというか…、言葉に表すのは難しいが、そんな気分になる。
黒い木の枝にも、さっき見たような光景が見られる。
何か物品が吊るされているが、遠くからではよくはっきりとは見えない。得る為にはその木に近づかないといけない。
何か得体の知れない物に巻き込まれたくも無いため、渋々諦める事にした。
黒い木を除けば、それ以外は変わったところがない草原だ。
青々とした草が風に吹かれて優しく靡いている。
ここにポカポカするお日様があれば100点満点だったのに。
そんな事を思いながら、アーモンドウォーターと瓶があった木の近くまでまた歩きだす。
何かまだ得れる物があると良いんだけど…
そう思いながら歩いていると、木の近くで何かに躓いてしまった。
このままだと木に向かってぶつかってしまう!
何とか木にぶつかるのだけは避けようと、力いっぱい方向を何とか変え、地面にぶつかるようにした。
何とか衝撃から守る体勢をとる。
衝撃に備えて身を固めた。
しかしぶつかったと思いきや、地面すり抜けてスポッと落ちる。すり抜けて軽く身体が一回転する。背中を地面に全身を打ち付けられた。
…
すり抜けてきた場所は、駅の【地下の通路】にも似たような場所だった。




