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【The Back Rooms】  作者:
12/55

【Lv.69η 廃キャンプ場】

歩いてきた先も、先が見えないくらいに暗い場所だったが、小型のテントがポツンと建てられていた。

後ろは森になっているが暗くて探索するのにも勇気が必要だ。しかし探索する勇気が出ない。


恐怖と寒さに身震いをする。

うっすらと温かく明かりが照らされているテントの中にそそくさと入っていく。

まるでそれから逃れるように。




テントの中に入るといくつかの物資が置かれていた。

 

・蝋燭のランタン(器具に固定されている)

・果物ナイフ

・500ml程のペットボトルのアーモンドウォーター2本

・マグカップ

・アヒルのおもちゃ



ポワァ…と照らすランタンは、静かに火が揺らいでいる。

ランタン前に座り、物資を確認する。

果物ナイフを手に取り、目を細めて無言でじっと見つめていた。

何かは分からないけれど、心の底に感じる物がある。

途端に胸が少し痛くなった。

前世なんてあるはずない。

蘇ったのもそんな記憶なわけがない。



マグカップを手に取る。

調べると陶器で出来ている事が分かった。

あとは特に何の変哲もなかった。


陶器のマグカップを置き、アヒルのおもちゃを手に取る。よくお風呂とかで浮かんでそうな黄色の少し小さなおもちゃ。

軽く指を動かすと『グワワッ』と鳴いた。

何故だかおかしくて、静かにふふっと微笑んだ。



たまに地球の事を思い出すが、前の時より帰りたいという気持ちが薄れてきている。永住したいという気持ちではなく、諦めに近いような。

死ぬのも嫌だから生きてるだけ。


体操座りして、ランタンを見つめ直す。

明かりはいつも優しく照らしてくれる。ランタンが灯す火は静かにゆっくりと揺れている。


うっすらと涙を浮かべた。

アーモンドウォーターを飲みながら、少し俯く。

心の中を覗く事は出来ない。



右手に力が入り、空になったアーモンドウォーターが入っていたペットボトルに近い物が少し歪む。

気持ちがぐしゃぐしゃになる。


誰にもぶつけられない思いが爆発しそうになっている。置いてあったアーモンドウォーターも含めて、全てお腹の中に流し込むように、涙を流しながら一気に飲み込む。とてつもなくむしゃくしゃして腹が立つ。


プハァッ!と息をし直す。味はあの時と変わらない。500ml近くのアーモンドウォーターを一気に2本も飲んだものだから、少しクラッとする。



(クラっとしたはずみでランタンを倒して火が消えてしまった…▶︎ https://ncode.syosetu.com/n9780lt/10/)




落ち着く為に、ランタンの近くで横になって丸くなる。丸くなりながら、ランタンの火を見つめていた。

何も知らない火は、ユラユラ揺れながら身体や顔を優しく照らしてくれる。体勢を整える為に身体を動かす。

切ない気持ちに近いような…そんな気持ちを抱えながら、孤独に眠りについた。

 

 

 

眠りについた頃、どこか遠くでオオカミが遠吠えをしている。2匹がお互いに鳴きあっている。背を向けていたから知らないが、たまに外に人影が横切っている。人影はこちらを認識していないかのように通り過ぎる。

お互いがお互いを知らないまま、夜中のまま時が流れていく。ランタンは変わらずに明かりが灯っている。


空に浮かぶ満月は、優しい光で地上を照らしている。




起きた後、そのままテントから出る▶︎ https://ncode.syosetu.com/n9780lt/13/


起きた後も休みたくて、テントの中で数日間過ごす▼























…もう何日このテントで過ごしただろうか。


動くのも疲れた。いつ襲われるかも分からないのに、そんな中を歩き回るのは予想以上に体力を使う。


ランタンの明かりも少しずつ弱くなっている。

このままだと消えるのも時間の問題かもしれない。

ここを出ろと言われるのもそう遠くは無いだろう。


身体を起こして重い足を動かして、やっと外に出る事を決意する。


テントの入口を開けて外へ出ようと足を外に出した。




外には入るまでにあったはずのテントが無くなり、代わりに下に共に落ちる暗闇が一緒についてきた。




…あれ、ここって足場あったよな?



なんてどこか他人事に思いながら、次の場所にドスンと尻もちを着いたのだ。


落ちた先▶︎ https://ncode.syosetu.com/n9780lt/11/

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