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百物語をしていたら  作者: 北見剛介


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第4話


「ところで、名前は?」

「え?」

「いや、ほら、聞いてなかったから」

「川上壮太と言います」

「木本春香です」

「ふぅん。変わった名前だな」


あんまりそういうこと、人の前で言わないほうがいいんじゃないですかね、多分。なんか馬鹿にされたような気分になるし。


「あなたの名前は?」

「俺はショートケーキだ」

「へ?」

なんだって?

「だから、ショートケーキだ」


ショートケーキ、スポンジに生クリームが塗ってあって、その上にイチゴが塗ってある、俺の好物。ショートケーキが魔法使いの修行中?あれ、ショートケーキって食べ物だよな?人じゃないよな?


「ぷっ」


わかる、わかるぞ木本。確かに俺も気を抜いたら絶対に笑いだす。頭の中で、ショートケーキが杖持って、怪しげな鍋かき混ぜたり、ショートケーキがモンスターと闘う姿とか想像すると、なんか笑えてくる。


「うん?何かおかしいのか?」


どこか不機嫌な感じで聞いてきた。そりゃぁ向こうからしたら、たった今自分が名乗った瞬間に、先ほど弟子入りを申し込んだ目の前の二人が固まって、笑いをこらえているわけだからいい気持ちはしないだろう。でもごめんなさい、ショートケーキさん。なんか変な笑いのツボに入っちゃったんだ。


「フフフッ。アハハハハハ!!」

「おい、木本・・・・くっ…ふ、ふははっ!」

「おい、なんで人の名前で笑うんだよ!!失礼だろうが!」

「すいません・・本当にすいません。わかってはいるんですけど、あの、止められなくて・・・フフッ」


木本もこんな風に笑えるんだな。口に手を当て、眉間にしわを寄せて笑わないよう堪えてるのに、思わずこぼれてしまう笑顔。何というか、純粋な笑顔な気がする。周りに合わせてとりあえず笑う、みたいな感じとは別のもの。


「ショートケーキって、あの、俺らの世界では、食べ物の名前なんです。だから、なんかそれが、面白くなっちゃって」

「・・・・・・・はぁ」


そうため息をついて、ショーさんがキッとこちらを睨んだ。あれ、これはガチ目に怒らしちゃった感じか?まぁ自分の名前笑われるって普通に腹立つしな。そんなことを思った次の瞬間


「うわ」

「きゃぁ!」


俺と木本の体は宙に浮いていた。高さとしては2メートルほどだろうか。慌てて動こうとしても身体が動かない。まるで自分の体が石像になってしまったかのようだ。


「これが魔法だ。ちなみに今のは基本的な操作魔法な」


今のが基本的な魔法なら、難しい魔法になるとドラゴンとか召喚できたりするのかもしれない。そう思うと、少年心がくすぐられて、少しワクワクしてくる。


「じゃ、降ろすぞ」


ゆっくり降ろしてくれるのかと思いきや、ショーさんは魔法を解除してしまったため、俺たち二人は高さ約二メートルの位置からそのまま、地面にたたきつけられた。ひょっとして、さっきの仕返しのつもりだろうか。普通に痛い。


「どうやって魔法を使ったんですか?」


地面と当たった背中をさすりながら、木本が聞いた。


「お前たちを浮かせる、動けなくするっていうイメージを頭の中に描いた。で、魔力をお前たちにぶつけた」


うん、つまり、どういうこと?頭の中にイメージを描くっていうのは分かるけど、魔力をぶつけるって何?


「あの、そもそも魔力って何ですか?」

「ああ、その説明しなきゃダメか。魔力っていうのは、魔法を発動する力のことだ。これが切れると魔力は使えない。休めば回復するけどな。魔力は魔法使いごとに量が違うから、魔力が多い魔法使いは、一回の戦闘で多くの魔法を使えるってことになる」

「なんとなく、わかりました」

「じゃ、あとは俺の家で説明すっか」

「へ?」

「へ?じゃないだろ。お前ら、俺に魔法教えてほしいんじゃなかったっけ?」


あ、弟子にはしてくれるんだ。ありがとう、ショートケーキさん。名前笑って、ごめんなさい。


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