隣の男性の名前
「僕もお酒好きだからさ、同士を見つけようと思って。あわよくば仲良くなりたいなーって。…リア友も結婚し始めてるし、僕もそういう出会いが欲しいなーっていうのもある笑」
そう言って私の顔を見た。
「そういえばこれ名前なんていうの?せっかくなんかの運命で会ったんだから、連絡先交換しようよ!」
ちらっと相手の目を盗み見る。
すっかりお酒とその場に酔ってしまった男性。
服、性格、礼儀作法...悪くない。
特に柔らかとした目つきが好きだ。
この人と一緒にいたら楽しくなりそうだし、結婚できたらきっと幸せになれる。
お酒に酔っているが、態度で良い人だと伝わってくる。
(派手じゃない控えめな性格...めっちゃタイプだなぁ)
「いいですよ。」
そう言ってQRコードを画面に映して男性の前に差し出す。
手帳型のクリーム色のスマホケースが一際目立つ。
今時手帳型のスマホケースの人は珍しいだろう。
こんなおしゃれなバーで流行りに乗っていないのは、周りの目もあきさんの目も少し気になる。
「あっ、追加できた〜!真琴ちゃんっていうんやねぇ。僕は潤橋輝!あきって読んで!」
「あき、さん」
あまり男性を下の名前で読んだことがないから少し照れてしまう。
「これからよろしくなぁ。仲良くしようや。」