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だから僕は嘘をつく  作者: 夜明碧堵
バーでの出会い
2/3

一緒に飲みませんか?

真琴の視線に気づいた男性が、グラスを持ってこっちへ寄ってきた。

「初めまして。お隣、よろしいですか。」

「え、ああ、どうぞ。」

「失礼します」


男性が座ったあと緊張で何も話せなくなった。

こうやってお誘いいただくのは初めてだ。

私はいつも仕事帰りに来るからスーツを着ている。

今までを思い返せば、誘われていた人は私服の人が多かった。

じゃあ、なんで私なんかと…?


「…。」

「ここの常連客ですか?」


男性はしっかり私と目を合わせて話してきた。

あまり男性経験がない私は恥ずかしくて目を逸らしてしまう。


「常連客ってほどはないですけど、まあよく来ているほうだと思います。」

「へ〜、意外です。あまり飲まないタイプの人だと思っていました。」


そう言って男性は柔らかく微笑む。

そんな笑顔が眩しくて顔が火照っている感覚がする。


男性はテーブルの上にあったメニュー表を広げて、見つめている。


「僕初めてここに来たんですけど、何かオススメのカクテルありますか?」

「え〜と、24トニックの炭酸割りですかね…。このお店のおすすめなんですよ。」

「じゃあそれを頼もうかなぁ。」


「すみません、24トニックの炭酸割りひとつお願いします!」






シャカシャカシャカシャカシャカ…



「お待たせいたしました。24トニックの炭酸割りでございます。」


会話の沈黙を破ったのはバーテンダーだった。

(たっ、助かったぁ〜。このままずっと沈黙状態なのは流石に気まずいよ。)


男性がお酒に口をつけたところで、ずっと気になっていたことを勇気を出して聞いてみることにした。


「あの…。なんで私に紅茶クッキーをくれたんですか?」

「んー、単純に興味があったから?かな。」


その男性はグラスに見惚れながら言う。


「僕もお酒好きだからさ、同士を見つけようと思って。あわよくば仲良くなりたいなーって。…リア友も結婚し始めてるし、僕もそういう出会いが欲しいなーっていうのもある笑」


そう言って私の顔を見た。

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