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グリーゼ876会戦〜地球文明ともう一つの文明の一大決戦〜

作者: つくも

なろうには初投稿です。

宇宙戦争を描いてみたいなと思い書きました。

地球側の船は銀英伝に登場するような形のフネです。


 2679年にルーア共和国艦隊が遭遇した未知の文明鑑隊、この時はルーア艦隊がコンタクトを取ろうと接近したものの相手側はワープと思しきもので逃走。ファーストコンタクトは失敗した。

 再び遭遇した時は2682年、前回から3年経っており、またルーアではなく秋津洲の輸送船団が遭遇した。

 秋津洲はルーアのときと同じようにコンタクトを図ろうと接近した。

 まさにその時であった。未知の艦隊は船体から砲を展開し、秋津洲の船団に対して砲撃を開始したのだ。

 瞬く間に船団の船はビームに引き裂かれ、味方の船の爆発によって吹き飛ばされ、壊滅した。

 このとき出現した艦隊はおそらく、仮装巡洋艦のようなもので、この輸送船団を事故なのか故意なのかはわからないが襲撃したことがわかっている。

 この最悪なセカンドコンタクトは人類にとって初めての異星文明との戦争となった。

 初期においては各国は基地護衛用の艦艇を使ったりして捜索していたものの、ほとんど見つからず、見つけてもあの仮装巡洋艦ならまだしも、砲塔を持つ正規艦艇らしいものにはあまり勝つことができず敗走に敗走を繰り返し、支配宙域を失うばかりであった。

 2685年、ここで一大決戦が起こる。

 この頃には地球連合という枠組みが作られ、各国の艦艇が同じ作戦に投入されることが多かった。

 さてこの一大決戦、グリーゼ876会戦もしくはロス780会戦というのだが、地球連合側大小合わせて12360隻、未知の文明側(推定仮装巡洋艦の残骸の国籍らしきものからこの頃にはアトリという名前が広がっている)6000隻以上が投入されている。

 地球側は翼を広げるような形で包囲を引くために動いていた。そのため艦隊は広く広がることとなり、艦艇密度が下がっていた。

 もちろんアトリ艦隊が黙ってみているはずもなく、まるで菱形のような形へと隊列を変更。正面突破を図るつもりらしい。

 地球連合は慌てて包囲をとき、正面突破を図ろうとするアトリ艦隊の推定進路上に展開しようとしていた。

 しかしこれがいけなかった。完成しかけていた包囲を急に解いたものだから、艦隊は混乱し展開には遅れが出た。

 この混乱の中アトリ艦隊は正面地球連合軍イリージア連邦艦隊(アトリ艦隊から見て正面であって地球連合の艦隊では右翼より)を食い破ろうと前進。

 それに劣らず、なんとか食い止めようと砲艦とそれを指揮する戦艦の一斉射が始まった。

 気づけばイリージア艦隊も全体で前進運動を開始し。

 両者はさながら戦列歩兵のような戦闘を見せ、やがて船体と船体がこすれるような距離での撃ち合いとなっていった。

 とあるイリージア砲艦は自艦の砲撃が効かないと判断して自らを加速、質量兵器として敵戦艦級を撃沈している。

 またとあるアトリ戦艦級はイリージア戦艦とまるで力比べのように正面から撃ち合い、見事イリージア戦艦を轟沈させている。

 このとき他国の艦隊は援護できなかった。なぜならば、入り乱れすぎていて誤射の危険性があったからである。

 イリージア艦隊はこの戦闘で当初1200隻いた艦隊を23隻までにすり減らしている。

 アトリ艦隊もまたイリージア艦隊との戦闘で約6000の内500隻以上を失っており、無視できない被害を受けていた。


 アトリ艦隊はこの残った艦隊の全てをもって地球艦隊に対してチキンレースを強制的にさせた。

 地球艦隊がアトリ艦隊を破るには先のイリージア艦隊のように戦列歩兵のような戦い方をしなければならなかったからである。

 アトリ艦隊は地球艦隊右翼に向けて前進、各国の艦隊を蹴散らしながら前進をしていた。しかしながら其処に背後から攻撃した艦隊がいた。包囲の左翼に展開していた艦隊である。

 本来ならこのまま追いつけずに敗北するはずだったのだが、左翼ルーア、アルビオン、ハルシュタットの艦隊はワープで落ち着いたのだ。

 このワープというのは比較的最近にできた技術でそれまでは光に速度を近づけたりして長距離移動をしていたのに対して、異空間を経由する、空間を折りたたむなどの原理で一瞬にして長距離移動をするというものだが、軍でも勿論つかわれていた。だが、それは後方の基地から戦場へと到達するためであり、戦闘中にやるものではなかった。

 今回の運動戦では右翼へと集中したアトリ艦隊に対して後ろから噛みつくために、左翼艦隊は戦術的にワープを利用してアトリ艦隊直近後方に展開。

 突如として現れた艦隊にすぐには対応できず、アトリ艦隊はどんどん撃たれていく。中には味方を巻き込んで沈む艦もいたようだ。

 しかしここでアトリ艦の強みである回転砲塔が光る。

 地球艦ならそのまま全滅しただろうがアトリ艦は後ろへ砲を指向し、砲撃。

 当たりどころが悪ければ沈む。

 しかしここで状況を整理するとアトリ艦隊は現在地球艦隊に前後ろから挟まれた形で、不利であった。

 よってアトリ艦隊は地球艦隊にとって一番嫌な行動に出た。

 それは、再度右翼艦隊にたいして全面攻撃を開始することである。ここで右翼艦隊を失えば地球連合艦隊戦力の三分の一を失い、ズルズルと後退するしかなくなり、地球は敗北する。

 これこそが最悪のシナリオであった。


 しかしここで希望の光が見えた。

 寄せ集めでは有るが各拠点から応援艦隊が到着したのだ。

 これは右翼艦隊所属のとあるアメーリア戦艦が要請したものだが、アメーリアという国は自国民を見捨てない。

 どうにかかき集めたアメーリアは艦が旧式艦でほとんどが乗員の定数割れを起こしていたが、500というかなりの数のフネを用意した。

 それでも右翼艦隊は4000隻を割り始めており、アトリ艦は数は減っているものの右翼艦隊よりも多く4000隻以上であった。

 そこでアメーリアがとった方法は艦艇を亜光速まで加速させて敵艦にぶつけるというものだった。勿論人は別の艦に移し、無人でやるものだ。

 1回目ではあまり当たらなかったようで艦隊をすり抜けていってしまった。

 2回目ではかなりの数があたったようで爆発の連鎖が見えた。

 3回目をやろうとしたその時、アトリ艦隊はついに耐えかねたのかワープによる離脱を図り始めた。


 少し時を戻ってアトリ艦隊旗艦では、たとえ文字通り全滅してでも地球連合右翼艦隊を壊滅させるつもりだった。

 しかし、例の無人艦突撃によって旗艦が撃沈されてしまった。

 その時の状況はかなり混乱していたようで誤射も起こっていたようだ。

 臨時に指揮をとった艦はこれ以降の攻撃による犠牲は無意味と判断した。

 アトリ軍にとっての一番の失態である。

 後にこの艦の指揮官は死刑、その他士官は左遷させられている。


 こうしてグリーゼ876会戦は終了した。 

 地球側は12360隻の内、3057隻を失っている。

対してアフリ側は6010隻の内、2042隻を失っている。

 この戦いは双方に様々な戦訓を与えた。

 

この話はpixivにも投稿していますが、いくつか違うところがあります。

題名も同じですが、敵の名前がアトリではなくアフリとなっています。

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