プロローグ★
とある場所で双子の兄弟が誕生した。一人は黒髪で赤い瞳、もう一人は黒髪で紫色の瞳を持った子供だった。二人の両親は彼らを育て愛した。
しかし、近所ではそうは行かなかった。この地域では双子は忌み子で二人の瞳は異色なものだったからだ。赤い瞳は忌み嫌われているものだったらしい。紫の瞳は神の瞳と伝わっていて大層喜ばれていた。
二人の両親は迷ったがこの場所から去ることにした。双子に危害を加わることを良しとしなかったからだ。
この日からとある地域で四人が姿を消した。
新天地として選んだのはあまり差別が少なそうな所、近くの町へと向かった。
弟がいじめられていたとき兄はいつも助けてくれた。勉強や運動にも一緒に手伝ってくれた。
兄はいじめとかそういう下らないことに興味がなくいじめをはばんでいた。弟にとても厳しくそして、優しかった。
そんなある日のこと両親は仕事でいない間に火事に遭った。双子の兄弟は家から出ようと必死だった。しかし、出られる場所は窓くらいしか方法がなかった。兄は意を決して弟を窓から出した。
兄はそこで力尽き火事により死を選んだ。弟だけは助かるよう心から願いながら…。そうして、兄は
まだ、若く有望な子供だった未来を望みながらひっそりと…。
―――そう、これは“俺”天道空翔の物語。