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モブで薬師な魔法使いと、氷の騎士の物語  作者: みん
第三章ーリスと氷の騎士ー
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2人の聖女と魔法使い

「それで、そのフジさんとショウさんの住所が知りたいんだ。」


「ハルの為だから教えてあげるけど…覚悟して行きなさいよ。あの2人も、リュウがハルに()()()を知っているから。今のリュウとハルの関係は知らないだろうしね。」


「…分かった。」


聖女3人が、巻き込まれただけのハルをとても可愛がっていて、召喚されていた時に起こった事について、王族相手にでもかなりキレた─と言う話は有名な話しだ。


ーよし、殴られるのを覚悟しておこうー








早目に魔石の玉を回収しに来る事ができず、1ヶ月してから回収しに来ると…ギリギリだった。これ以上溜め込むと魔石が砕け散っていたかもしれなかった。たった1ヶ月で…恐るべしチート魔法使いのハルだな。改めて、ハルには二度と逆らわない!と心に誓った。


それからミヤ様だけには伝えて、俺はそのまま直ぐに日本へと向かった。その際


「リュウに何かあっても、ハルが気にするから─」


と、ミヤ様達が大事にしている水色と黒色の魔石のブレスレットを貸してくれた。コレを見せれば、フジとショウも私とリュウとの関係が繋がるだろうし─と。










*****



「懐かしいな─」


ハルの魔力のお陰で、何の問題もなく日本へと転移できた。

偶然なのか必然なのか…2人の居住地と、俺の勤めていた職場が同じ地区だった。


ー浸ってる暇は無いな。2人の家を探そうー


懐かしさに後ろ髪を引かれつつも、俺はミヤ様に教えてもらった住所へと歩みを進めた。








「へぇ…あなたが、()()リュウとか言う魔法使いなのね?」


と、2人の聖女がニッコリと微笑む。




あれから、直ぐにフジさんの家を見付けた。これまた運が良く、フジさんの家にショウさんが遊びに来ていた。

そこで、ミヤ様から預かったブレスレットを見せて、今回ここに来た理由を説明すると、すんなり?と家に入れてもらえる事ができた。




「こうやって、異世界関連で訪れて来るのも二度目だからね。一度目の眞島さんから、あなたの事も少しは聞いていたし、ハルちゃんからの手紙にも書いてあったから。ハルちゃんは、今ではあなたの事を赦してるし、何なら魔法使いの先輩として頼ってる感じだけど…一発殴ってあげたい気持ちなのは私だけかな?」


「美樹だけじゃなくて、私もだから大丈夫よ。」


ー笑顔が怖いな!流石はミヤ様の友達だな!!ー


ふふふっ─と、2人は笑っているが、目が笑っていない─というか、目は据わっている。


「…と、まぁ…冗談は置いといて」


ーいや、冗談じゃなかったよな?言わないけどー


「本当に、ハルはエディオルさんと結婚するの?」


「はい。3ヶ月後に式を挙げます。なので、2人にも…祝ってもらおうかと。」


そう言いながら、俺はもう一つの魔石の玉を取り出す。


「この魔石の玉に映像を録画する事ができます。本当は、2人をあっちに連れて行きたかったんだけど…どうやら、無事に転移できるのは3回がギリギリみたいで。」


ハルとミヤ様の3回目の転移後に起こった事を話せば、2人ともが落胆したのが分かった。


「そうなのね。それじゃあ…ハルちゃんのチートをもってしても…もう、直接会う事はできないんだね。」


「よし、この玉の事は後にして…リュウ!今から買い物に付き合いなさい!拒否権は無しよ!!」


「は?」


勿論、俺は拒否する事はせず、その日は2人に引き摺られるように買い物に付き合わされた。








そうして、さんざん買い物をしまくった後、フジさんの家に帰って来た時には夜になっていた。


「こっちはハルちゃんに、こっちはミヤに、絶対渡してね。」


大きなトートバッグが2つ。今日買った物がそのトートバッグにいっぱい入っている。食料品は勿論、服も入っていた。何でも、ハルとミヤ様は、この世界で存在していなかった─事になっているのだが、2人を異世界に送った後、預っていた2人の貴重品は消えなかったらしい。扱いに困っていた為、今回お土産?として買い物をして、俺に持って還らせる事にしたらしい。


「あぁ、必ず2人に渡しますよ。」


「それじゃあ、そろそろメッセージを撮りましょうか。」


「あ、その前に、最近のハルとミヤ様の映像…見ます?」


「「勿論!」」


実は、こっそり2人の映像を撮っていたのだ。フジさんとショウさんに、不審者扱いされた時の為の保険だったけど。


さっき出した玉よりも2周り程小さい物。そこに映し出されたのは─




「やだ!エディオルさんがハルちゃんをお姫様抱っこして…顔が蕩けてる!」


何故か、王城内を、エディオルがハルをお姫様抱っこして歩いているのを偶然目にして、咄嗟に保存したもの。


「あらあら、ミヤも何だかんだ言って、王太子と良い感じじゃない?」


こちらは、修道院での2人。よくお茶をしながら政治経済について語り合っているとか─王太子…それで良いのか?とは訊かないが。


「2人共、幸せそうで良かった。」


「よし!さあ!リュウ、始めるわよ!」


「あぁ、分かった。」


と、2人の前に改めて魔石の玉を取り出した。





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