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モブで薬師な魔法使いと、氷の騎士の物語  作者: みん
第三章ーリスと氷の騎士ー
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初めてのお誘い②

「あの!一つ…訊いても良いですか!?」


「何かしら?」


「あのですね?…私の国にはそう言う事はあまり…殆どなくてですね?恥ずかしいと言うか、困ってるんですけどね?」


「「?」」


「その…お2人は、初夜にナイトドレスを着るんですか!?」


「「………あぁ!」」


2人は少しキョトンとした後、納得したように声を上げた。


「ハルさんの国に無いのなら…いえ、アレは、私達でも少し恥ずかしいモノなんだけどね。でも、アレは、政略結婚で愛が無い結婚をした場合でも着るのよね。その場合、しっかりとした生地になるけど。」


「逆に、恋愛結婚や政略結婚でもお互い歩み寄ろうとする関係な場合程、生地が薄くなるみたいよ。だから…私達3人は薄い生地になるわね。」


ーひぃぃ─っ!更にハードルが上がったよね!?ー


「ソレ…絶対ですか?」


「絶対…ではないと思うけど…期待はされていると思うわよ?」


「期待……」


ー駄目だ…コレ、もう逃げられないパターンだ…。本当に、コレはこの世界では普通の事なんだー


何とかして回避できないものかと思って相談したけど、逆に回避できないと言う事が分かってしまいました。


「ハルさんだけじゃなくて一般的なモノだから、後は…開き直るしかありませんわね。」


ふふっ─と、クラウディア様が笑えば


「そうだね。」


と、アリアナ様も笑った。


ちなみに、クラウディア様もアリアナ様も、半年後には結婚式を挙げるそうだ。そして、クラウディア様のナイトドレスは、婚約者が用意をしているらしい。コレは、とっても仲が良い─故の事だそうです。


それからも、結婚式や騎士団について等の話で楽しい時間を過ごした。


そろそろ帰ろうかな?と思った時、コルネスト家の執事さんが部屋へとやって来た。


「失礼します。ハル様、お迎えが参りました。」


「お迎え?」


ーうん?ルナさんじゃなくて?お迎えなんて…聞いてないよね?ー


首を傾げて考えていると


「エディオル=カルザイン様がいらっしゃっております。」


「えっ!?ディが!?」


「「“ディ”!?」」


私が思わず愛称で呼べば、クラウディア様とアリアナ様が目をキラキラさせながら反応した。


「まぁ!ハルさんは“ディ”と呼んでいるのね!?ハルさんだけの呼び名ね!?素敵!!」


「はぅ─っ!!」


ー恥ずかしい!!ー


と…兎に角、エディオルさんが来てるなら、急いで帰ろう。


「あの…今日は誘っていただいて、本当にありがとうございました。本当に楽しかったです。」


ペコリと挨拶をする。


「こちらこそ、来ていただいてありがとう。またお誘いしても良いかしら?」


「勿論です!」


「次は、スイーツでも食べに行きましょう!それと、次からは、“様”は無しにしてね?将来は、騎士の嫁同士なんですもの!」


「はい。分かりました。」


クラウディア様とアリアナ様は、本当に優しくて良い人達でした。この世界に来てから、初めてできたお友達です!!また、次が楽しみです!


そう思いながら、少し急ぎ足でエディオルさんの元へと向かった。













❋ハルが帰った後の2人❋




「ディア…」


「えぇ…アリー、分かっているわ…」


「「リスと氷の騎士!!」」


もう、本当にハルさんは可愛らしい方でした。結婚やナイトドレスの話で盛り上がり、カルザイン様との事はあまり聞けなかったけれど─


「「“ディ”─だったわね!」」


それに、まさかのお迎え!





「先触れもなく迎えに来てしまい、すみません。」


そう謝るカルザイン様の顔は騎士様然り─の冷たい感じの顔だったけれど


「エディオルさん、お仕事の帰りに迎えに来てくれて、ありがとうございます。」


なんてハルさんがお礼を言うと


「いや、俺が迎えに来たかっただけだから。」


と、一瞬にして蕩けた顔になった。





「あの一瞬で蕩けた顔になった時、思わず叫びそうになったわよ。」


「私もよ!アレは何度見ても眼福よねー。」


「それに、ハルさんは気付いてなさそうだったけど…お城からコルネスト邸(ここ)は、蒼の邸とは反対方向なのよね…。」


そう。お城からは真反対に位置している為、“帰り道のついでに迎えに来た”ではなく、本当に“態々迎えに来た”のだ。


「本当に愛されてるのね。」


「それもあるだろうけど、心配もあったんじゃないかしら?」


そう言えば…あまりにもハルさんが元気に笑っているから忘れていたけど、以前、王城の女官達から苛められていた事があった。その事で、聖女様達も王族に対し抗議した─と言っていた。そのハルさんを苛めていた女官達は貴族の令嬢だった。


そして、今回ハルさんをお茶に誘った私達も貴族の令嬢。カルザイン様が心配になるのは…仕方が無い事かもしれません。


「ふふっ。私達がハルさんを苛めるなんて…有り得ないのに。」


「そうよねー。だって、私達─」


「「“リスと氷の騎士”を愛でる者ですもの!!」」


勿論、これからは、同じ騎士の嫁として、助け合いながら仲良くできたらな─と思います。






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