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魔獣

「ネージュとノアの子供!?」


「そうなんです!ネージュのお腹の中に居るんです!」




今日は転移魔法陣を使い、パルヴァン辺境地へとやって来た。来た理由はただ一つ──いや、皆に会いたかった事もあるけど、魔獣について色々訊きたい事があったからだ。


パルヴァン辺境地は、ある意味、昔から魔獣とは切っても切れない縁がある。その為、他の領地領民よりも魔獣に詳しいのだ。

勿論、私は魔獣の事は全く知らない。馬とフェンリルと、種族?が違うのに子供ができる──とは…思わなかった。


兎に角、これからネージュが安心して子供を産めるように、私もしっかり見守るつもりでいるけど、魔獣に関して知らない事だらけなので、パルヴァンの人に訊いてみよう─と思ってやって来たのだ。


「それでですね、魔獣に関して…色々と教えてもらおうと思って…時間ありあすか?」


グレン様の執務室に通され、そこに居たグレン様とシルヴィア様とゼンさんにお願いをしてみた。


「それは、めでたい話しだな。ハル殿、おめでとう。子供は──フェンリルだな。」


と、シルヴィア様が嬉しそうに言う。


「え?そうなんですか?馬─天馬とフェンリルとなら、子供はフェンリルになるんですか?」


「100%ではないが、種族の違うモノ同士の子供は、ほぼ魔力が強い親の方の種と魔力を持って生まれるんだ。」


「そうなんですね。」


ーえ─じゃあ…黒のモフモフのフェンリル…だったりする!?ー


「はぅ──っ!既に、可愛い子が生まれる気しかしませんね!!」




ーいや、それだけで悶えられるハル様が可愛いですけどね!?ー


と、後ろに控えていたルナとリディは心の中で突っ込んだ。






「ゼン、お前がハル殿に色々教えてやってくれ。」



と、グレンに言われたゼンは、満面の笑みで


「ありがとうございます。」


とお礼を言った。











「魔獣の子供は、核となる魔石が一番最初に作られるそうです。ですから、ネージュ殿のお腹には、今はまだ、ただの魔石がある─と言う状態だと思います。」


「魔石から…あぁ、だから、私も全然気付かなかったんですかね?ネージュの魔力を引き継いでいるなら、()()()としても、気付き難そうだし。」


「確かに、そうかも知れませんね。これで、ほぼ生まれて来る子供は…フェンリルで間違いないでしょう。」


「黒のモフモフ……どうしよう……好きにしかならないですよね──。」


両頬をおさえて悶えるハルを、優しい目で見守るゼン。そんな感じで、2人の勉強会は続いていった。


それからも、色々と魔獣に関して教えてもらった後、久し振りにレオン様とカテリーナ様に会いに別邸にも行った。


久し振りに見るカテリーナ様は、お腹も大分大きくなっていた。


「うわぁ─大きくなりましたね!あの…触っても…良いですか?」


「ふふっ。勿論よ。」


ソッと触れる。


ーここに…赤ちゃんが居るのか……って…え─チートって…怖くない?どうしよう…触っただけなのに…性別が…わかっちゃったよ…うん。黙っておこうー


顔がひきつりそうになるのを我慢していると


「いつまで、カテリーナのお腹に触ってるつもり?」


と言う様な笑顔をしたレオン様と目が合って、「カテリーナ様、ありがとうございました。」と言って、直ぐにお腹から手を離した。


レオン様も、相変わらず“嫁大好き人間”のようです。


それから、レオン様とカテリーナ様と少しお話をしてから本邸に戻り、ティモスさん達とも久し振りに話をした。





「これ、魔獣が好きな果物なんだ。ネージュ殿とノア殿にお土産にと思って、さっき森から取って来た。ハル、持って帰れるか?」


「魔法陣で一瞬なので大丈夫です!ティモスさん、ありがとうございます。」


「ははっ。相変わらず元気そうで良かった。また落ち着いたら、ネージュ殿達と一緒に森に行こうな!」


と、ティモスさんから久し振りに、頭をワシャワシャとされました。


ーやっぱり、パルヴァンは、いつ来ても私を優しく受け入れてくれる、私の大好きな…第二の故郷です!ー









「ゼンさん、今日は色々と教えてくれて、ありがとうございました。」


「いえいえ。また、何かありましたら、いつでも訊いて下さい。それがなくても、いつでも遊びに来て下さいね。」


「あ、ハル殿、一つだけ──」


転移の魔法陣を展開させようとすると、シルヴィア様に呼び止められる。


「昔、この辺境の地であった事なんだが…。母胎にある子供の核となる魔石は、とても純度が高く、とても綺麗で…レアだとされていて、それを狙い魔獣が殺される─と言う事があったそうだ。ネージュ殿はフェンリルで珍しい魔獣だ。見た目は犬だし、王都に居るから大丈夫だとは思うが…ハル殿は知っておいた方が良いかと思ってな。まぁ、ノア殿とハル殿が居れば、全く問題無いだろうけど。」


「教えてくれて、ありがとうございます。ネージュとネージュの子は、絶対に守るし、ネージュには指一本も触れさせません!」


ーうん。帰ったら、ネージュの守りをどうするか、考えようー


そう意気込みながら、私はエディオルさんの邸へと転移した。






❋魔獣に関しては、独自設定となっています❋






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