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(ある意味での)ハル無双

❋作者比で、砂糖過多になっています(ハルが)❋









*エディオル視点*



「ハル、大丈夫か?」


取り敢えず、ハルを部屋まで連れて戻って来た。


「ん─大丈夫ですよ?フワフワと良い気持ちです。ふふっ…ディだ─」


3人掛けのソファーに座らせたが、ハルはずっと俺に抱き付いたままだ。しかも、何かにつけて


「ディだ」


「好き」


と口にする。


ー可愛いな!ー


「エディオル様、失礼致します。」


ルナ殿が、水を持って来てくれた─のだが


「エディオル様、後は、宜しくお願い致します。ゼンさんは、騎士邸の方へ…行っています。シルヴィア様の指示で…。明日迄は…帰って来ないかと…。はい。では、失礼致します。」


ルナ殿はそれだけ言うと、ニッコリ微笑んで部屋から出て行った。


「───え?」


ハルは相変わらず俺に抱き付いたままで─


「ふふっ─ディ──好き─」


「─くっそ可愛いか!!」


と、ギュウッとハルを抱き締めると


「ふぐぅっ──苦しいけど…ふふっ…ディがあったかい──ふふっ─」


ーあ、これ、ヤバいなー


少し深呼吸をした後、ソロソロと腕の力を緩めてハルから体を離して、両手でハルの顔を挟んで上を向かせる。


「ハル。少し、俺から離れてくれるか?水を用意するから。水、飲めるか?」


「ディ、離れるの?──ヤダ」


と、更にギュウッとしがみついてきた。


「──くっ……」


ー落ち着け!俺!って、誰だ!?ハルに強いアルコールを飲ませたのは!!可愛いけど!ー


「ハル、俺は何処にも行かないから。兎に角、水を飲もうな?」


何とかハルに言い聞かせて水を飲ませた。













ーこれ以上は、俺が()()()()


と思って、ハルを寝かせよう!──と思った俺を…殴ってやりたい。




「ハル。俺は、ハルが寝るまでそこの椅子に座ってるから、この手を離そうか?」


流石に、ハルの寝室に入るのは駄目だろうと、ハルに寝室へ行くように言うと


「ヤダ!一緒に寝る!」


と、またまた俺に抱き付いて来た。


ーハルは一体、俺をどうしたいんだ!!ー


「はぁ────」


自分を落ち着かせる為に、息を吐くと、ハルの体がビクッと反応する。それから、ソロソロと俺を覗く様に見上げて来た。


「ディ、怒ってる?ごめんなさい。」


シュンとするハル。


ーあぁ、もう、本当に可愛いなぁー


軽くキスをする。


「怒ってない。でも…一緒には寝れないから。俺はここに居るから、ハルはベッドに入って寝てくれ。良いな?」


「じゃあ、もう少しだけディと、ここで、一緒に居る。」


むぅっ─と、少し拗ねた様な顔をして、俺の服をギュッと握るハル。


「分かった。少しだけ─な?」


と言うと、ハルは嬉しそうに笑った。





ハルはやっぱり俺から離れないから、ハルをお姫様抱っこした状態で、俺はソファーに座った。





会話にならない会話をしているうちに、ハルがうとうとし出した。


「ハル、このままだと体が辛いだろうし、ちゃんと眠れないだろうから、ベッドに─」


「ディは…もう、黙って居なくなったりしない?」


「──え?」


()()、急に…会えなくなったりしない?」


()()?ー


「ディに会えなくなって……寂しくて…胸がね?ギュウッて痛くなってね?()()とは一緒に居るのに…何で私とは居てくれないのかな?─って。」


「──ハル」


()()()のハルの気持ちは、青の庭園で聞いていた。でも、その時でさえ、ハルは少し困ったな─みたいな感じで軽く笑いながら話していた。それに、聖女様達に掬われたとも言っていたから、俺はそこから深く気に留めてはいなかった。でも─


今、目の前にいるハルは、今にも泣きそうな顔で俺の服をギュウッと握り締めている。きっと、俺が気に病まないように笑っていたんだろう。そんなハルが─そんなハルに更に愛おしさが増す。


「ハル、俺はもう、黙って何処かに行く事はないから。ずっとハルの側に居るから。ハルに“要らない”と言われても、離れないから。」


「私、“要らない”なんて言わない。ディが好き。」


ーあぁ、少し位…良いよな?ー


「俺も、ハルが好きだ。」


ハルの頬に手を当てて、啄む様に何度かキスをする。


「ふふっ─ディとのキス──好き──」


ふにゃっとハルが笑うから─ハルの後頭部に手を当てて、更に深く─キスをする。


「──っ!?」


ハルが逃げられないように─腰に回している腕に力を入れて引き寄せる。ハルが顔をズラそうとするのに合わせて、角度を変えて深いキスを繰り返す。


ーあぁ…本当にヤバいな…止まれる…のか?ー


と思った時、腕の中で可愛い抵抗をしていたハルの力がフッと抜けて、俺の方へと凭れ掛かって来た。


「ハル?」


どうした?と思い唇を離してハルを覗き込めば─


「────苦…しい……」


と、涙目で顔を真っ赤にして、肩で息をするハルがいた。


「ディの……バカ!息…苦しい………」


「ハル?」


その一言を最後に、スースーと寝息が聞こえて来た。


「…………は─────ぁ………」


ハルが寝てしまって残念な気持ちはあるが─


「寝てくれて…助かった…」


が、正直なところだ。


ハルは、本当に自分の負の感情を隠すのがうまい。そんな事は、解っていたし気を付けてもいたのに…


「俺も、まだまだ─だな。」


と、俺の腕の中で寝ているハルのオデコに、ソッとキスを落とした。













「ディの……バカ!」


うん。()()は…一段と可愛かった──









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