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デート!?



朝、いつもよりも早い時間に目が覚めた。


「………」


上半身を起こし、両手で自分の頬をギュウーッと押さえる。早く目が覚めた理由は分かっている。今日は、久し振りの─エディオル様とのお出掛けだから。


ーどうしよう…緊張して来たー


チラリと、いつもそこで寝ている筈のネージュに視線を向ける。


ーほら…やっぱり居ないー


ネージュは、エディオル様が来る─エディオル様と出掛ける時は、必ず姿を眩ます。だから、今日もきっとそうだろう─と思っていました。

だから!昨日から既に緊張してしまって、今日はいつもより早く目を覚ましたと言うわけです!


「──と言うか…エディオル様って、もうパルヴァン邸(ここ)に居るんだよね─」


「はい、いらっしゃいますよ。今、ティモスと一緒に軽く運動をされてます。」


「ひゃいっ!?」


誰も居ないと思っていたのに、ルナさんが居ました─ビックリして変な声が出ましたけど!?


「“ひゃいっ”って─ハル様は相変わらず可愛らしいですね─。驚かせてしまって、すみません。ですが…起きていると思って、何度か声を掛けさせてもらったんですけど…。今日はカルザイン様とお出掛けだと聞いていたので、返事を待たずに勝手に入らせて頂きました。」


ー成る程、いつもタイミングが良いなと思っていたけど…“気配”でかー


「…ごめんなさい!その…ちょっと色々考え事してました。と言うか、何故ここに?お出掛けと関係あるんですか?」


ルナさんは私付きの侍女だけど、私は貴族でも令嬢でも無いので、基本自分の事は自分でする。朝の着替えだってそうだ。1人で起きて1人で着替える。なので、朝のこの時間にルナさんが私の部屋に来る事は、普段は滅多に無いのだ。


「関係は大有りです!折角のカルザイン様とのデートなんですから、普段通りではなく、ハル様の可愛らしさを、更に引き立たせるように仕上げなければいけないんですから!」


と、ルナさんはヤル気満々だ。


「───え?」


ー今、ルナさんは何て言った?ー


「──デート?」


「はい。デートです。」


「え?お出掛け────って──え?」


「………」


ポンッと顔が熱くなる。


「ハル様の世界とは違うのでしょうか?異性2人きりのお出掛けを“デート”とは…呼ばないのでしょうか?」


「───いえ…多分…“デート”と…呼ぶかもしれません。 あの…ちょっと経験が無かったので…。」


熱くなった両頬を、また両手で押さえる。


(どうしよう─そんなハル様が可愛い過ぎる!)


「───デート?どうしよう?」


全く気付かなかった。でも…エディオル様は大丈夫なのかなぁ?私と万が一にでも噂になんかなったりしたら─あ、だからの個室の予約なのかなぁ?目立たないように、噂にならないように、個室の予約をしてくれてるのかな?




ハルだけが知らない


“氷の騎士が恋に落ちた”


と言う噂がある事を。その氷の騎士がエディオル=カルザインで、相手がハル(自分)である事を─。












「ハル殿は、何処か行きたい所とか、食べたい物はある?」


「んー…昨日の夜に考えてたんですけど…髪留めを見てみたいのと、美味しいケーキが食べたいです。」


パルヴァン邸を出て、お店が立ち並ぶ町並みを歩きながら、エディオル様に訊かれたので、素直に答えた。


「お昼に予約してあるお店が、デザートも有名らしいから、そこは期待しておいて良いよ。後は…髪留めか…。」


ーえ?また予約してるの!?え?また、まさかの個室…じゃないよね?あ、個室の方が良かったんだっけ??ー


「あ、俺の兄のお嫁さん─義姉(あね)がよく行くお店があるんだけど、そこのアクセサリーが、比較的安くて可愛いのがあるって言っていたなぁ。そこに行ってみるか?」


「王都のお店はよく分からないので、そこに連れて行ってもらえますか?」


「分かった─」


そう言って、エディオル様はいつものように優しく微笑んでくれた。


ーう゛─この笑顔は心臓に悪い!ー


エディオル様が微笑んだり笑ったりすると、道を行き交う女の人達が見惚れてたり、顔を赤らめてエディオル様を見て来る。


ーイケメンだもんね…その横に居るのが、チビッ子の私でごめんなさいー


と、心の中で謝った。











「わー…可愛い。それに、本当に安いんですね。平民な私にでも優しいお値段です!」


「ははっ─それは良かった。俺の事は気にしなくて良いから、ゆっくり見て回って?」


エディオル様のお義姉さんの行きつけのお店は、本当に良心的なお値段なのに、可愛らしいアクセサリーが沢山あった。そして、エディオル様は、私が気にしないように─と、少し離れた所にある椅子に座って待っていてくれている。


ー本当に、色々と気が利と言うか…ん?()()()()って事…なのかなぁ?ー


モヤッ


「?」


何だろう…そう思うと…ちょっと…


何だかよく分からないモヤッと感。何だろう?と思っていると─


「エディおにい様!」


嬉しそうな、はしゃぐような声。


ー“エディ”って…エディオル様の愛称じゃなかった?ー


と、エディオル様の方へと振り返ると─



嬉しそうな顔した綺麗な女の人が、エディオル様に抱き付いていた。








❋❋❋❋❋❋


本日は後1話投稿して、明日以降は1日2話の更新でいこうと思っています。

宜しくお願いします。

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