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モブで薬師な魔法使いと、氷の騎士の物語  作者: みん
第三章ーリスと氷の騎士ー
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夫婦の部屋

『おめでとう』


皆から祝福される結婚式。




ー幸せだなぁー




還れなかったあの日。還れないと分かったあの日。あの時の自分に言ってあげたい。


“あなたは、この世界で幸せになれるよ”─と。


横に居るエディオルさんを見上げると、やっぱりエディオルさんも私を見ていて、目が合うと優しく微笑んでくれる。

そんな優しくて大好きな()()と、私はこれからもずっと一緒に…居られるのだ。











*****



結婚式も滞り無く終わり、参列してくれた人達を見送った後、ウェディングドレス姿のままでネージュの元へとやって来た。


『主、とっても綺麗だ。』


ネージュが尻尾をブンブン振りながら、嬉しそうに目を細めて笑う。


「ネージュ、ありがとう。きっと、ネージュもウェディングドレスを着たら綺麗……だけじゃ済まない気がする…。」


ー想像しただけで綺麗だよね!え?扉、開けちゃう!?ー


「ハル、落ち着こうか?」


「うっ…はい…すみません。」


『あーじ、きれい!』

「エディオル、ちょっと良いか?」


ウェディングドレス姿の私を目にしたネロが、キラキラ輝きながら擬人化して私を呼んだのと、まだ帰らずに邸に残っていたクレイル様がやって来てディを呼んだのは、同時だった。


今、立っているディの横で、しゃがんでいる私に抱き付いている少女(ネロ)。そのネロの横で尻尾を振っているフェンリル(ネージュ)。そのネージュの後ろに(ノア)が立って居る状態である。


「────は?」


何故か、クレイル様は目を大きく見開いて、一言発した後固まった。


「どうした?クレイル。」


ディの問い掛けの後も、暫く固まったままで─


「え?昔のハル殿が居る。え?ハル殿の…子供!?」


「そんな訳無いだろう!」


ディが呆れたように、クレイル様に突っ込みを入れ、ネロの事を説明した。






「なるほど。魔獣の子供は、引き継いだ魔力の持ち主に似るのか…だから、ネロはハル殿に似ていると…。ノアが黒いから髪が黒いと…。いや、本当に…懐かしい感じだね。」


『?あーじに、にてる?うれしい!』


と、ネロがニッコリと笑う。


「何、この子!可愛いな!」


と、クレイル様がネロを抱き上げて─所謂、“高い高い”をすると、ネロは『きゃあーっ』と言いながら喜んでいる。


「えっと…初孫…初姪?を喜ぶ伯父さん─みたいな?」


ーうんうん。クレイル様の気持ち、よく分かりますよ!ー


と、微笑ましく思いながら、その様子を眺めている私の横で


「…ハルに()()()()()()()分、ネロに全力投球しそうだな…」


と、ディが苦笑しながら小さく呟いた。











そして、今日の夕食は、辺境地のパルヴァン邸で小さな宴会の様な感じで、皆でワイワイ楽しく食事をした。


『ハル、絶対にアルコールは飲まないように』


と、夕食前にディに、背中がゾワゾワする微笑みと共に囁かれた。


ー折角のおめでたい席なのだから、少し位ー


と思ってたけど…ディの圧が半端無いので…おとなしく諦めます。これは、絶対に逆らってはいけないヤツです!何故かは分からないけど、今日は絶対飲みません!








その夕食では、式ではあまり話ができなかった、お互いの親とも沢山話ができた。

特に、ルーチェ様のテンションがマックスだった。


「ハルさんの世界の結婚式は、色々と素敵な事をしているのね!白色のハルさんが、エディの色に…やだ!素敵過ぎない!?どうしようかしら!?」


「ルーチェ、少し…落ち着こうか?」


と、ルイス様がルーチェ様の背中をトントンと叩く。


ー親から言われる程、恥ずかしくて居た堪れない事って無いよね!?ー









「ハル様、そろそろ…」


と、ルナさんがソッと声を掛けて来たので、私はコクリと頷く。皆はまだまだ…ひょっとしたら夜通しの宴会になるかも知れないけど、私は一足先に蒼の邸に帰る。

蒼の邸の使用人達全員が、私が魔法使いだと知ったので、私はチートよろしく!で、蒼の邸と王都と辺境地のパルヴァン邸とを繋ぐ魔法陣を貼り付けました!なので、その魔法陣を使って蒼の邸に帰って………







()()をするそうです──









*****



朝と同様に、「これでもか!」と言う程体を隅々迄洗われた。それから香油?を塗られました。



それから……



「これが、聖女様達から頂いたナイトドレスですか?綺麗ですね。」



今からナイトドレス(スケスケ)を……着るようです。










「では、ハル様。今日()…いえ、今日()()()こちらの寝室をお使い下さい。」


そう言いながら、ルナさんが夫婦の部屋の扉を開けた。


「さぁ、どうぞ。」


と、ニッコリ微笑むルナさんに促されて、私はその部屋へと入って行った。


「それでは、私もこれで、失礼致します。」


「え!?もう!?」


と、ビックリして扉の方を振り返ると同時に、パタンッと音を立ててその扉が閉まった。


ーどどどどどうする?何処に居たら良いの!?ー


改めて部屋を見渡す。



そこには、やっぱりキングサイズのベットが鎮座していて、今日は、そのベットには青色と白色の花びらが散りばめられている。


サイドテーブルには水とコップ2つが置かれている。

窓際には、2人がゆっくり座れる程のソファーがある。


ーあのソファーに座る?ー


と、そのソファーに腰をおろした時──


コンコンと扉を叩く音と共に


「入るぞ?」


と言う声が聞こえた。












❋婚姻を結んだのを機に、ハルなりのけじめ?として、ハルの心の中でのエディオルの呼び方を、“エディオルさん”から“ディ”にしました❋




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