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Ωヒーロー  作者: ジバ子
2/2

水のヒーロー「ミトラ」

えーと、ミスった

投稿間隔空いてしまい申し訳ございません!

「眠ってしまったようですね」

返信を解いた少女が上司であろう運転手の男性に話しかける、運転手は少し間を開けたあと小さく

「どこでこんな面倒な者を拾ってきた?」

と低いため息混じりの声で質問した。

少女は運転手の質問に少し怒ったのか腕をペシペシと叩く、運転手はそれを気にもせず続ける。

「彼女の様なタイプが一番厄介なんだぞ……また今田さんに怒られる……」

「いいじゃないですか……検査ぐらい、ヒーローだって足りてないんですよ?原さんには私たちヒーローの大変さなんて分かんないですよ」

原と呼ばれた運転手はため息をまたついてから、ガムを口に放り込む、今田が怒った時にする癖だ、それを見て察したのか、PGWに着くまで喋るのをやめた。


PGW トーキョー部 吉立川支部 4/15 AM 0:35


吉立川の中心部にある大きな異物(きち)はぎこちなさを発しながらも少しずつ街に溶けようと頑張っていた。少女の乗った車がその中に入っていく。

「おかえりアケビ!怪我はないか?」

50代ぐらいに見える男性は少女ことアケビに抱きついて娘の無事を喜んだ。

思春期を迎えた年頃の普通の娘なら嫌がるだろうが、アケビは全く嫌がらずに父親にハグをした。

「パパ!ただいま!」

家ではない空間の筈なのにも関わらず、どことなく家庭の雰囲気を二人は醸し出していた。しかし、何故だか分からないが2人の間には不自然な空気も漂っていた。

「今田さん、保護した娘のヒーロー適性検査は終わりましたか?」

原が煙草に火を付け、空箱になった煙草の箱に先程まで噛んでいたガムをペッと吐き捨て冷淡に質問した。

アケビの父親と思われる男性は今田という名前のようだ、今田は煙草の匂いを少し気にしながら書類をすぐそばのデスクに置いてあるファイルから取り出しアケビと原に見せた。

「全体的に良好だね、ヒーローになれるかどうかはまだ不明だけど素質はかなりあると言っていいね、ただダイヤの原石みたいな物だから磨かないと光らないがね。それにおかしいところもいくつかある」

今田はデスクの奥にあるホワイトボードを引っ張り出してきて、何かを書き出した。

「彼女だがね、どうも記憶が無いみたいだ。それだけでもかなり厄介だが、プラスして気にかかる所がある、それは彼女の肺に火打ち石の様なモノがあることだ。おまけに取れそうにない」

火打ち石と言う旧時代的なモノは現代では知っている人の方が少ない程のモノになっていた。

原は何となく知っていたが、実物は見たことがなかった。それだけに今田がホワイトボードに貼り付けた写真を見て余計に驚くことになった。

少女の肺が写し出されたレントゲン写真には明らかに入るサイズではない特徴的な石がごろごろと5、6個入っていた。

驚いていた原とは対照的にアケビは意外にも冷静だった。

「パパ、彼女E(自然能力系)のヒーローなんじゃないかな?石属性かなんかの」

アケビは手元の支給ケータイの画像フォルダからニュースサイトの記事を2人に見せた。

そこにはとある国で石が肺から摘出された患者の

ことが書いてあった。

「もし彼女がこの患者と同じヒーロータイプならなんら不思議はないはずよ?」

彼女は驚いている原を落ち着かせるように話した。

「その線も考えてみたが……ハッキリと今ここで断定することは出来んな……まぁ彼女の目が覚めたら彼女に戦う意志があるかどうかの確認がてらパトロールでもアケビに言ってもらおうかね……おろ?もうこんな時間かアケビ、寝た方がいいんじゃないか?」

今田は唸りながらそう答えた後、時計を見て驚いたのか彼女を寝かしつけた

「分かった、彼女が目を覚ましたら行くわ、おやすみパパ」

そう言ってアケビは自室へと向かって行った。

「今田さん、自分、嫌な予感がします……」

原は少し声のトーンを落とした。自信が無かったのもあったが、それ以上にレントゲン写真の異常さに勘づいていたからだった。

今田は部屋へ行った娘の方向を見つめながら

「原くん、おかしいねぇ……奇しくも同じ意見だ……彼女からは……恐怖、いや生物的嫌悪の様な物が感じられる……これが我々一般人とヒーローの違いというのならいいんだがな……」

今田は娘には見せたことが無いであろう真剣な眼差しでホワイトボードに目をむけていた……


次回、Ωヒーロー

「シンデレラの生誕」





次回予告の8割は嘘です

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