巡る
ホラー作品です。
文章構成が、かわってます。
楽しんでもらえると嬉しいです。
7月上旬
時刻16:15
大学の前期試験が終わり、大学のサークルの仲間達と夏休みの計画を話していた。サークルといっても非公認だ。
サークルの活動内容は、写真を撮影すること。それを評価する。つまり、写真愛好家だ。
サークルメンバーのカメラ機種は、バラバラだった。
中には、スマホで済ませる者もいる。単なる交友の場のサークルでしかなかった。
A子はネットを検索して、幻の駅を巡る提案をだす。
A子「幻の駅を巡りたいな。」
主人公「幻の駅?」
B男「いいね。ロマンだね。」
c子「幻の駅ってどんな場所?」
A子「駅の跡地や廃駅を巡って写真を撮りたいな。」
C子「面白そう。」
多数決で、A子の提案は採用され、夏休みは廃駅巡りとなった。
7月中旬
ネットにあげられた廃駅を、仲間達と行けれる所まで行った。封鎖されて入れなかったり、跡地には石碑が置かれていたぐらいだった。
サークルメンバーは、写真を撮影して終わった。
時刻17:05
解散する前に、B男は仲間達に提案する。
B男「俺の故郷に、今は使われてない駅の跡がある行ってみないか。」
主人公「パス。わざわざ、虫が多い場所に行きたくない。」
C子「虫嫌いなんだ。へえー。」
A子「私は行きたい。」
C子「A子が行くなら私も行く。」
後日、仲のいい3人で行くことになった。
時刻19:52
主人公は、家に帰宅。かばんの中から、B男のカメラが入っていった。主人公が、B男に連絡をする。
主人公「カメラ入っていたぞ。」
B男「悪い。それが必要だから明日、持ってきてくれないか。」
主人公「嫌だよ。」
B男「頼む。交通費を払うから。」
主人公「…仕方ない。何処だよ。」
B男「今、帰省してる最中。」
主人公「ハァ!?」
B男「明日、カメラと着替えを持って、俺の実家に来いよ。」
主人公「ちょ…」
B男「頼んだぞ。」
B男は電話をきった。
主人公「嵌やがった。」
主人公は、シャワーを浴びて、歯を磨いて寝た。
翌朝、主人公は始発の電車に乗る。
時刻09:26
主人公は、やっとの思い出で、B男の家についた。インターホンを鳴らした。暫くして、B男は玄関から出てきた。
B男「早かったな。あがれ。」
主人公は、B男を殴りたい気持ちだった。家に入るとB男の両親と祖母がいた。挨拶を済ませて、B男の部屋に入る。
主人公「ほら、カメラ」
そう言って、B男にカメラを渡す。
B男「おっ。サンキューな。」
主人公「…。」
B男「悪かった。ほら、交通費。」
主人公は受け取り、中身を確認した。
主人公は、すぐ帰ろうとした。B男は阻止する。
B男「待て待て。帰るな。」
主人公「何でだよ。」
B男「後で、A子とC子と会うから、一緒に付いてくれないか。」
主人公「嫌だよ。これ以上、居したくない。」
B男「予定でもあるのか。」
主人公「別に無いよ。」
B男「頼む。このとおり。」
B男は手を合わせて頭を下げた。
主人公は呆れて、B男を無視して部屋を出た。
玄関で、B男の父親につかまり、主人公は、リビングでB男の話や大学生活などを聞かれたり、聞かされたりした。
B男の母親は茶菓子をだした。
10分後、B男はリビングに入る。B男は、主人公がまだ帰ってないことに気付く。B男は親にナイスのサインを送る。
それを見た主人公は、苛立ったが顔に出ない様に堪える。
暫くして、チャイムのなる音が鳴る。
A子とC子がリビングに入る。
A子・C子「お邪魔します。」
二人は主人公が居ることに気づく。
C子「えっ!何でいるの?」
B男「俺が呼んだ。」
C子「虫嫌いだったよね?」
主人公(余計なことを…。)
B男の父「嫌い物はいかん。母さん、佃煮を出してくれ。」
B男の祖母「はーい。」
B男の祖母はイナゴの佃煮と蜂の子を取り出す。皿と箸が用意され、テーブルに置かれる。
主人公は以前、学食でB男と食事中に話を聞かされていた。
B男の家庭は、昔ながらの田舎で、イナゴやバッタを捕まえて、調理して食べている。
昔は、今と比べて食べ物が、少なかった。B男の父親は昔は虫嫌いだった。親から無理矢理、食べさせられて育った。
その結果、今では食べれるようになったとのこと。ここまでなら、いい話で終わりだけど、続きがある。
現在、B男の家族は、食べ物の好き嫌いする者が嫌いで、アレルギーでなければ、知り合いに虫の佃煮などを勧めているとのこと。
主人公とC子は、顔が引きつる。出されたからには、少しでも、食べなくては失礼だと思い、主人公は佃煮を口の中に入れる。少し噛んで飲み込んむ。
A子とC子は続けて、恐る恐る食べ始める。
A子「美味しいですね。」
主人公・C子「!!!?。」
主人公とC子は、A子が次々とイナゴの佃煮、蜂の子を食べることに驚く。A子は、お皿を空にする。
C子「凄い。」
A子「C子ちゃんの分も食べないならくれる?」
C子「お願い。」
そう言って、C子の皿を空にする。
B男の父「いい食べっぷりだ!」
B男の両親と祖母は、A子に感心する。
B男の両親はA子と会話に夢中で、B男の祖母は子と会話していた。B男は主人公に近づいて隣に座わる。
B男「ゴメンな。それ食べるよ。」
B男は、親の目を盗んで、主人公の皿にあった物を平らげる。
主人公は、B男の姿を見て思う。B男には、苛つかせることもあれば、何処か抜けていることもある。だけど、根は優しい奴だ。
C子は、それを見て微笑んだ。
B男「A子の意外な一面を目撃したな。」
主人公「そうだな。それはおいといて、二人の荷物があるけど、どこか宿泊するのか。」
B男「いいや。二人は、この家の空いている部屋に泊まる予定だよ。」
主人公「大丈夫かよ。不安だな。」
B男「何かあれば、母さんとお婆ちゃんがいるから、平気だ。」
主人公「…。そうだな。」
時刻14:12
B男の両親と祖母は畑仕事へ行った。B男は提案をする。
B男「今から駅跡地に行かないか。車で片道20分ぐらいで着く。」
A子「行きたい。」
c子「いいわよ。」
B男は主人公に虫除けスプレーを投げて渡す。
主人公「行かないぞ。」
A子「行こうよ。」
主人公「…。」
B男「俺だけだと、男一人肩身が狭い。頼む。」
c子「失礼しちゃうわ。」
主人公「わかった。」
主人公は渋々、合意する。
B男は、車にエンジンをかける。4人で目的地へ向かう。
時刻14:50
目的地に到着。
車から降りると鼻につく匂いがする。虫除けスプレーとは異なる匂い。雨のあとの土の匂いに近い匂い。けれど、雨が降った形跡がない。
主人公とA子は、異臭を感じたが、B男とc子はそのことを感じない様子。
4人は、駅の跡地に向かった。駅の跡地には、古い車両が1車両ある。
B男「昔からあるんだよな。」
c子「本当だ。ねぇ、A子?」
A子「…うん。」
C子「ここに来て元気ないじゃん。いつもの元気どうしたの?」
A子「何でもない。」
主人公は、恐る恐る車両に近づく。
B男は、持ってきたカメラと台で、セルフタイマーを使う。
背景が車両の4人の集合写真を撮影した。
主人公とB男とc子は、車両の扉を開けようとしたが、びくともしない。
B男「やっぱり、開かない。」
c子「硬っ。開かない。」
主人公「そうだな。」
c子「隙間から覗けない?」
窓は遮光幕で車内がわからない。隙間を覗くと、辺りは暗い。
暫くすると主人公の目は暗さになれる。
一人の女性が暗い車内でこちらの様子を伺っている。
主人公は息を呑んで後退りをする。
他の三人は、主人公が後退りして、車に戻る姿を見る。
4人は、車に戻る。
C子「特に変わったことが無かったね。」
主人公「!」
B男「そうだな。」
主人公「!。嘘だ。中に女性がいた。彼処は人の私有地ではないのか?」
B男「何言っている?彼処は、登記されてない土地だ。わざわざ、法務局で確認した。俺は女性を見てない。C子は見たか。」
C子「見てない。なんか怖いね。」
主人公「…。(見が違えのはずはない。)」
A子「今日は疲れたから、戻ろうよ。」
B男「そうだな。今日は、皆で俺の家に泊まってくれ。」
主人公「俺も頭数に、はってるのか。」
B男「もちろん。着替えを持ってきたか。」
主人公「すぐ変える予定だったから、持ってきてない。」
B男「わかった。俺のでよければ貸すけど。嫌なら、あとで、買い物しよう。」
主人公「断る。電車で帰る。」
B男「わかった。先に、二人を優先していいか。」
主人公「いいよ。」
B男の実家で女性二人を降ろし、最寄りの駅に向かう。
時刻16:00
車で最寄りの駅に着いた。主人公が来た駅とは異なる駅だった。ここは無人駅だ。
主人公は、車から降りる。B男は、見送りのため降りる。
中には券売機が置いてある。主人公は購入する。
B男「今日は、迷惑かけたな。」
主人公「全くだ。」
B男「また、大学で会おう。」
主人公「嗚呼。」
電車が来た。
主人公は、駅に乗る前に気づいてしまう。例の女性が、乗車していることに。主人公は硬直する。
B男が動く。
B男「ボタン式列車知らない?このボタンを押すと開くよ。」
B男は、列車のボタンに手をかけた。主人公は、B男の腕をつかまえて、阻止する。
主人公「待て!」
B男「いきなり、何だよ。」
電車が行ってしまった。
B男「どうするんだよ。次の電車は、1時間以上後だぞ。」
主人公「今、女の人が居た。」
B男「いたな。それがどうした。」
主人公「車両の中にいた。」
B男「いたな。今、見た。」
主人公「そうじゃなくて。ついさっき、4人で行った駅跡地の車両の中に、同じ女性がいんだよ。」
B男「見間違えではないか。」
主人公「そんなはずは…。」
B男「どうする。次の電車待つのか。」
主人公「…。」
B男「このあと、俺は買い物しなくてはならない。」
主人公「次の電車を待つ。」
B男「わかった。無事に着いたら、連絡しろ。じゃあな。」
主人公「嗚呼。」
B男は、ホームを立ち去る。
主人公は駅のホームのベンチに座る。待つ間は、スマホをいじって時間を潰す。
時刻17:25
次の電車が来た。主人公は固まる。見間違うものか。
また、例の女性が乗っている。
主人公は、恐怖で、乗車が出来ない。
車内で座っている女性が起立し、扉の近くまで歩く。女性は車両の開くボタンに手をかける。電車の扉が開く。
主人公は、パニックになりがらも走って逃げる。主人公は、振り返らず、駅のホームを出る。辺りを見回す。
駅の駐車場にB男達が、待機している事に主人公は、気づく。
主人公は、息切れをしながら、急いで、B男の車を開ける。
B男達は驚く。
B男「どうした?」
主人公「今、例の女性が車両に降りた。」
B男「!!」
C子「嗚呼。今丁度、話していた。本当なの?」
主人公「早く出してくれ。」
B男「わかった。落ち着け。」
C子「無視は酷い。」
主人公「静かにしてくれ。」
C子「怒んなくてもいいじない。」
B男は直ぐに車を発進した。すれ違いに例の女性とすれ違った。
B男「嘘だろ。」
C子「今のがそうなの?」
主人公「嗚呼。」
B男・C子「…」
主人公「何でいる?」
B男「わからない。」
主人公「そうではない。何で君たちがいるだ?」
B男「心配で寄っただけだ。」
主人公「A子はどうした?」
c子「車酔いで、B男の家で休んでいる。」
主人公「そうか。」
C子「ねぇ。」
主人公・B男「なんだ。」
C子「言いにくいんだけど…。まだ、買い物の途中だよ。」
B男「そうだった。買い物をしてもいいか。」
主人公「嗚呼、いいよ。」
時刻18:42
三人は、買い物を済ませ、B男の家に着いた。
三人は荷物を運んだ。B男の家族達は、もてなしてくれた。
皆で食事をした。
食後、風呂に入り歯を磨いた。A子含めた7人で、今日の出来事を話した。
結局、例の女性の正体がわからなった。
A子とC子は同部屋、主人公はB男の部屋の床で、布団を敷いて寝た。
一日が終わった。
読んでいただき、ありがとうございます。
初めてのホラー作品です。
引き継ぎ。よろしくお願いします。