1/1
プロローグ
寒い。
少しずつ苦しくなっていく意識の中で、それだけが俺の頭を支配する。
無理もない。
なにせ俺は、先程からずっと真冬の川に全身浸かってしまっているのだから。
先程から川の流れに逆らい続けていた手足も、今は僅かにしか動かない。
せめて、溺れてしまった弟が陸に上がれたか、確認しないと。
そう思い、腕に力をこめようとしたのだがうまくいかない。
体に充分な酸素が行き届かないせいでかすむ視界の中、俺は最後にこう誓った。
___来世では絶対、川には近寄らない。
マイペースに投稿してくと思いますがよろしくお願いします!