表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
シャイニング・ガール   作者: 花奈よりこ
46/59

告白


そんなあたし達の噂は、あっという間に学校中広まり。


たちまち話題のカップルになってしまったんだ。


と、自分で言うのも恥ずかしくて照れ臭いが、どうやらホントにそのようだ。



「ホントによかったね、ひかる!」


「ひかる、おめでとうっ!」


月曜のランチタイム。


有理絵やさとみが、大喜びしながらあたしの首に抱きついてきた。


ぐえっ。


く、苦しい。


「まぁ、いつかはこうなるとは思ってたけどさ。まさか、ひかるの方からいきなり告白しちゃうんなんて!ひかるもやるねー」


マヤがニヤニヤしながらあたしに言った。


「それは、つい。なんていうか、自分でもわかんないうちにポロッと言っちゃったというか」


照れ笑い。


「ひかるから電話で話聞いた時、あたしぶったまげて絶叫しちゃったもん」


有理絵も嬉しそうに笑ってる。


「いや、あたしがいちばんビックリしてるかも。まさか、いきなりこんな展開になるとは……」


なんだか恥ずかしくて顔が赤くなっちゃうよ。



今日の朝、桜庭と一緒に登校したんだけど、あたしの隣を歩いているこの人が、あたしの彼氏だなんて。


そして、あたしはこの人の彼女だなんて。


なんだか信じられなくて。


半ば夢見心地のままスキップのような足取りで来学校までちゃったよ。


そんなあたし達の登校風景を見て、みんなヒソヒソやいのやいの。


でも、クラスの女子達からは、意外にも『やっぱりつき合ってたんだー』という声が多くて、あたしはひたすら照れ笑い。


まぁ、桜庭のことを狙ってた子達もけっこういたから反応は様々だったけど。


とりあえず、あたしの仲間達はみんな心から喜んでくれてさ。


あたしもホントに嬉しかったんだ。


みんなにはいっぱい力になってもらったから。



そして、意外なこともあったんだ。


あの、情熱的にあたしに想いをぶつけてきてくれた小林ゆきちゃん。


休み時間に、偶然にも廊下で彼女とバッタリ出会ってしまったんだ。


久々のご対面に、内心『げっ!』と思ったんだけど、彼女は少しほほ笑みながらそっとあたしに歩み寄ってきてこう言ったんだ。


「先輩。朝、桜庭先輩と立花先輩が2人で笑いながら歩いているところを見かけました。ちょっと悔しいけど、とってもお似合いでした。わたし、応援してます。立花先輩のファンとして。ずっとーーーー」



ビックリしたけど、なんかすごく嬉しかったよね。


だからあたしも笑顔で彼女に言ったんだ。


「ありがとう」って。


彼女も清々しい笑顔で、ペコッとお辞儀をして去っていったよ。


小林ゆきちゃんのラブ攻撃には、正直ホントに参ってたけど、でも元はと言えば彼女のおかげで、あたしと桜庭は仲良く親しくなれたっていう説もあるよね?


彼女があたしに告白してきてくれなければ、あたしと桜庭がつき合ってるっていう勘違いの噂も立たなかったし、そのままつき合ってるフリをすることもなかったし。


そして、ホントの彼氏と彼女になることもなかったかもしれない。


と、すると。


彼女は、あたし達の恋のキューピッドだったのか?


そう考えると、彼女にホントにありがとう!だな。


それから、ミカ。


ミカとも朝の生徒玄関で会ったんだ。


お互いちょっと離れたところにいたんだけど、ふと目が合った時、ミカはかすかにほほ笑みながらちょっと下の方でグッジョブのサイン。


あたしもそれに応えてミカに向かってこっそりグッジョブのサインを送ったんだ。


なんか嬉しかったぜ。



そして。


あたしが今、いちばん気になっている。


健太ーーーーー。


健太もね、朝、あたしと桜庭に笑顔で『おはよっ』って挨拶してくれたんだ。


あたしと桜庭の両方の背中をバシッって軽く叩きながら。


学校に来てすぐにあたし達のことは知ったみたいなんだけど、あたし健太にまだこのこと直接報告してないんだ。


だから、健太にちゃんとこのこと話したいって思ってるの。


ただのクラスメートや友達じゃないから。



大切な、大好きな友達だからーーーーー。



おととい公園で健太と話した時、あたし『ごめんね』と『ありがとう』をもっときちんと言いたかったのに、なんだか泣いてばっかりでちゃんと気持ち伝えられなかったから。


だから、今日はその気持ちをちゃんと伝えようと思って。



だけど、その日の放課後。


まさに健太に話に行こうと思ってたその時に、あたしはふいに桜庭に呼び止められたんだ。



「立花」


「あ、桜庭。もう帰れる?あたしちょっとだけ健太に用があるんだ。少しだけ待っててくれる?」


今朝、『帰りも一緒に帰ろうと言ってくれた桜庭。


「ーーー健太に用って?」


桜庭が、真面目な顔であたしに聞いてきたんだ。


「え?」


「健太のケガのことで。ちょっと聞きたいことがあんだけど」


ドキン。


胸が大きく鳴った。


誰もいなくなった放課後の教室。


桜庭が、静かに机の上に座った。


「………さっき、たまたま廊下で誰かが話してるのが聞こえてきたんだけど。健太が、立花のことでケンカしたって。どういうこと?」


えーーー・・・。


桜庭があたしの方を見る。


「あ……。えっと、それは……」


重い雰囲気の中、あたしの心臓はドクドク鳴っていた。


「健太に顔の傷のこと聞いたら、アイツは『ちょっとな』って笑ってた。なんとなく変だなって思ってたんだ。なんかアイツ、オレと目も合わせないし……。ーーーなんかあったのか?」


桜庭の真っ直ぐな目。


「ご、ごめん……。隠してるわけじゃなかったんだけど。実は……金曜の夕方に、ちょっといろいろあって……」


「いろいろって?」


「………放課後、健太と河口って男がケンカしたの。って言っても、健太は悪くないんだよ。いや、先に手を出したのは健太なんだけど……。でも、それにはちょっと理由があって……」


「理由って?」


「……実は、その河口ってヤツがなんか知らないけどあたしに言い寄ってきて……。チャラくて馴れ馴れしくてしつこくて、めちゃめちゃキモかったんだよ。肩に手とか回してきて。それで、あたしイヤでイヤで。ちょっと泣きそうになってて。そしたら、部活終わりの健太があたしを見つけてくれて。来てくれてーーーーー」


桜庭は、あたしの話を黙って聞いていた。


「……それで、アイツに殴りかかって。なんかケンカになっちゃって……。すぐに卓や他のバスケ部員達が来てくれて止めに入ってはくれたんだけど……」


なにも言わずに下を向いている桜庭。


あたしも、どうしたらいいかわからなくなってうつむいていると。


「そのあとは……?」


桜庭が静かに口を開いた。


ドキッとした。


ふと、健太に告白されて抱きしめられた場面が、あたしの頭の中をよぎった。


桜庭に言うべきなのだろうか。


戸惑った。


でも、桜庭にウソはつきたくない。


「あの……。実は……。あたし、健太に告白されたんだーーー」


桜庭が顔上げ、あたしを見た。


あたしは自分の想いを正直に伝えた。


「でも、あたしが好きなのは……桜庭だから。健太のことはすごく好きだけど、そういう好きじゃなくて。健太もそのことちゃんとわかってくれてて……」


黙っている桜庭。


「桜庭のことがんばれって……。健太言ってくれたの。あたしが桜庭のこと好きなの、健太知ってたから。でも、あたしは健太の気持ちもなにも知らなくてーーー。それで、健太にちゃんと『ごめんね』と『ありがとう』を言いたくて。あと、あたしと桜庭のこともちゃんと報告したくて。それで、今……健太のとこに行こうと思ってたんだ……」







評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ