第95話 ケロ吉を探しに港に向かってみよう
〈リイナ、ケロ吉がいないんだけど、
まだ、石化したままかもしれない。〉
〈聞いてみるわ〉
リイナは、ベッドからたつと、
ミカンちゃんにケロ吉のことを尋ねた。
そもそも、事の顛末を知ってるのか
僕とリイナしかおらず、
ムラサキさんや周りの人たちに、
事の顛末を話さなければならなかった。
ミカンちゃんとムラサキさんのふたりは、
驚き、早く助けてあげたいオーラが出ていた。
お姉さま二人組は、カエルにまったく興味がなく、
石像のほうが、オブジェクトにちょうどいいといいそうだ。
リイナもリイナで、カエルのことより、
魔法の布の石化を解いて、回収に行きたいだけかもしれない。
二人の強い押しから、
朝ごはんをホテルで軽くとってから
とりあえず、向かうことになった。
流石に一級品のホテルだけあって
ルームサービスもしっかりしており、
部屋でも食事が採れるになってた。
準備をしてもらい、
会話をしながら、パンや卵料理、肉料理を食べてる。
キャロットさんとクロムさんの学生時代の話や、
サバンナさんがクロムさん経由で紹介してもらった話など、
会話の中心はキャロットさんのようだ。
クロムさんが、意図的に昨日の件をさけるようにしているのかもしれない。
最後にデザートを食べ終わり、
ゆっくりと桟橋に向かうことになった。
クロムさんは、夕食の準備するためか、
残ってホテルの人と準備することになった。
ホテルからでて港に向かう途中で、
ムラサキさんはバックから、アイテムを取り出した。
「昨日、リイナさんが石化した直後に、
バジリスクが消滅して、バジリスクの血液と魔玉が
ドロップしました。
バジリスクの血液には、石化を解除する効果があるみたいです。」
そういって、リイナに手渡した。
リイナは、手に持ってから、魔法を唱えた。
〈鑑定〉
<<名前:バジリスクの血液>>
<<種別:消費アイテム>>
<<ユニークスキル:石化解除>>
<<価格:1000β>>
「あんまり高くはないのね。
そうですね、魔法でも石化を解除できますし」
そういって、ミカンちゃんは、補足した。
そんなやりとりをしていると
忙しそうにしてるサバンナさんのところまで、くることができた。
朝早いこともあってバザーがオープンしていないからだろう。
「昨日は、大変だったね、
お嬢ちゃんは、バジリスクを退治したとか、
なかなか、優秀な冒険者じゃないか」
リイナの肩をたたきながら、笑顔をみせる。
「火薬がなくなって文句を言ってる奴らもいるけど、
他にけがも死人もでなかったんだ、
ありがたいって思わなきゃ、罰があたるよ、ねぇ」
「サバンナさんは、昨日すぐに冒険者さんを出してくれたり、
石になった住民や冒険者さんの石化後のフォローをしてもらったり、
夜間とおして、対応してくれてたんですよ」
ミカンちゃんが、お礼を述べてる。
「石化の解除は、クロムとオリビア様がやってくれてたから、
私は、横で、状態をみてただけだよ。」
それでいて、朝早くから、
港を回してるんだから、すごい元気な人だな。
「キャロットも、石化した人を、探すのを手伝ったんだから、
偉いよ」
そういって、サバンナさんは、キャロットさんの背中を叩いた。
傍から見ても、ちょっと痛そうだ。
「私は、部下に指示しただけよ、
でも、まさかリイナさんが石になってるとは思わなくて、驚いたわ」
世間話に終わりはなさそうだ。
この後も半時くらいその場にとどまっていた。




