第93話 覚悟をきめて朝をむかえてみよう
そして、夜があけた。
ちがった、目が覚めた。
朝日がとても綺麗だ、
当然のように僕は、幽体のままだ。
ここは、昨日紹介してくれたホテルのなかで、
いろいろな人間がここで、
心配そうにリイナを見ている。
〈おはよう、リイナ。〉
〈おはよう、ヒビキ。目を開けていいのかしら、
なんだか、大変なことになりそう。〉
どうやら、普段と違っていることに、
うすうす感じているようだ。
〈右手は、ムラサキさんが左手は、ミカンさんが握りしめてるし、
奥には、オリビアさんやクロムさん、キャロットさんもいるし、
他には、何人もシスターが控えてるね。
なんか、偉そうな人もたってるし。
きっと、大変だと思うよ。〉
〈もう一回、起きないで、寝ようかしら〉
〈みんな、心配してるんだから、
起きて、元気だと伝えなよ〉
僕は、無責任に返答すると、
ベランダに出て、水上都市を観察し始めた。
後ろの方で、歓喜の声が聞こえてくるが、
無視を決め込み、
昨日の吹き飛ばした、桟橋を眺めてみる。
何事もなかったと思いたいが、
遠目から見ても、惨状がうかがえる。
爆発させた火薬樽の付近は、焼き焦げて真っ黒になっており、しばらくは、つかえないだろう。
頭上には、黒煙の名残りが広がっている。
蛇がとおったであろう道は、あちらこちらが石化しており、
そっちも酷い惨状だ
外はみないことにしよう。
そういえば、あれから、どれくらいたったのかな。
僕は、そう思うと、
リイナが横たわるベットに戻った。
そこでは、ムラサキさんとみかんちゃんの
頭を撫でるリイナと、
優しげに見つめるクロムさんとキャロットさん、
それとは対照的に、
難しい顔をしてるオリビアさんと
睨みつけているお偉いさんの女性がいた。




