第9話 見解を述べてみよう
ふぁぁ、よく寝た。
昨日は、女の子の体にはいって、オークに追いかけられて、
女の子と会話したっけ。
まさか、今朝、目が覚めたら、
僕が幽体になって、彼女を見下ろす形に
なるとは、想像もつかなかったよ。
〈おはよう、リイナ〉
〈おはよう、ヒビ・・キ?〉
寝ぼけ眼で、こちらをみて、
どうやら、事態に気付いた模様。
〈よかった、元の体に戻ってる。
どうやら、呪いはなくなったのね。
今度は、ヒビキが幽体なのね。
約束通り、ヒビキの体を探しに付き合ってあげるわ。〉
嬉しそうに話す彼女を見ながら、
僕は、捲し立てるように見解を話してみた。
〈呪いが解除されたかもしれないし、
一晩ごとに、入れ替わるかも知れないし、
眠ったら、入れ替わるのかも知れない。
もしかしたら、夜間に何かあったのかも。〉
くやしぃ。
〈そうね。事態は、まだ、よく分かってないわね。
そうそう、昨晩は、起きているつもりだったけど、
ヒビキが寝たら、わたしもすぐに意識がなくなったわ。
たぶん、体と同じ状態になるかもしれないわね〉
とはいえ、話しながら、まだ嬉しそうだ。
呪いを解かなきゃ、返ってこないと思ってたら、
体が思いがけず、返ってきたのだから、
嬉しいにちがいないよね。
くやしぃ
〈それにしても、ヒビキの外見は、そんな感じなのね
服装は、村の住人と同じような服装だし、
年齢は、私と同じくらいね。
体系は、少しやせてる感じね〉
そういえば、昨日は1日リイナの体だったから、
外見は分からなかったんだろう。
ときおり、こちらをちらちら観察していたが、
何かを思い出したのか
おもむろにバックに手をいれた。
バックから、たらいをだしてきて、
〈水〉
と呟いて、溜まった水で、
と呟いて、溜まった水で、
顔を洗い出した。
あ、そうなのね、魔法で水がだせたのね。
水がないと勘違いしてた。
くそぉ、聞くだけでよかった。
顔を洗った水を捨てたかと思う、再度水を溜めて、
水筒に水を詰めていった。
あまりに自然に行動してるのをみると、
いつもの動作なんだろう。
〈ねぇ、ヒビキ、今から、バックにあるものを
ひととおりだすけど、下着とかあるから、こっち見ないでね。
暇だと思うから、危険がないか、巡回してきてほしいの〉
覗き見しないように、先に釘をうたれたような気がする。