第88話 ムラサキさんの様子をみてみよう
いただいた水差しから、グラスに注ぎかえて、
ミカンちゃんの隣の席に移動した。
「さぁ、お水のんで」
さしだされたお水を迷いなく
飲み始めた。
しばらくすると、
さっきよりは、顔色がよくなっていった。
「大分、ましになりました。
頭が、ガンガンします」
そういうと、苦しそうに顔を歪めた。
「もっとお水を飲んで、
何か食べれば、大分よくなるよ」
再度グラスに水を注いだ。
「落ち着いたら、何か手をつけてみます」
水を飲みながら、眉間に皺を寄せている。
次に、僕は、真っ白な顔のムラサキちゃんの下に向かった。
太ももには、大の字に寝てるカエルが、
腹を大きく膨らませながら、手でパンパンして寝ていた。
カエルに水をかけながら、
「ムラサキさん、お水をのんで」
と手渡した。
カエルは怒り気味にこちらをみてるが、お腹いっぱいなのか、ピクリともしない。
お水を一気にのみ、
カエルにかけた水が冷たかったのか、
太ももとカエルを交互に拭いている。
新しく水のはいったグラスに再度、口をつけると、
カエルを撫でながら
テーブルに突っ伏した。
〈これは、しばらく無理だね〉
〈そのうち、復活するでしょ〉
いまだ、ガンガンにお酒を飲んでるキャロットさんをみながら、
新しく来た料理に手を付け始めた。
最初にだされた料理の大変は手つかずだった。
それでもまだまだ、運ばれてきている。
今は、ステーキが出てきたところをみると、
ようやくメインが運ばれてきたのかもしれない。
食べてるのは、僕だけなのが、非常にもったいない。
上で、ながめているリイナが、
私も食べたいとか、ずるいとか、言っている。
持ち帰れたりするのかな。
ぐいっと一杯、お腹にいれると、
ケイさんに相談してみた。
「キャロットさんは、いつもこんな感じなんですか?」
「そうですね、いつもお酒を飲むと、あんな感じでのまれてますね。」
どの意味ののまれるなのか、判らなかったが、
本題にはいってみた
「料理を持ち帰ることは、できるんでしょうか?」
「持ち帰った人は、見たことはないですし、
したこともないですが、
持ち帰れるように、準備します。
たぶん、仕出し用の弁当箱も、依然準備したことがありますので、
何とかなると思います」
そういって、部屋からでていった。
〈行ってみるもんだね。
これで、リイナも食べれるよ〉
〈やるわね、今まで一番見直したわ。〉
リイナは、とびあがりながら、喜んでる。
しばらくすると、いくつものデザートと共に、
大量の空き箱がやってきた。
また、辺りを見回すと
ムラサキんも、デザートのフルーツに手を付け始めてるところだった。
大分よくなっているんだろうかと考えていると、
カエルにあげているだけだった。




