第85話 店に都合をきいてみよう
「お待ちしておりました、
オーナーが今参りますので、
少しお待ちください」
かっこいい制服を着ているイケメンが、
笑顔で接客している。
これだけのイケメンに謝られたら、
たいていの女子が許すだろう。
だから、僕らの後ろの女性たちも許してるんだろうな、
睨みつけるような、視線が痛いが。
オーナーがくるまで、
一階を覗いて見ると、
270度のオーシャンビューが広がっており、
夕日がはいってきており、
とても、幻想的な風景が続いている。
200席以上の座席は、全て満席になっており、
奥にあるカウンターは、
イケメンたちが、接客をしていた。
フロアの中では、テーブル単位に制服をきたイケメンたちが、
談笑しながら接客をしている。
テーブル一席にボーイが一人立つスタイルと思われる。
一番印象的なのは、座っている全員が、
料理より、接客しているボーイを見ていることだ。
どうして、人気なのかは、言われなくてもわかった。
観察をし終えるとオーナーがやってきた。
かなりの美女だ。
すらっとした服をきこなし、
こちらに笑顔を向けながら、
歩いてきた。
「いらっしゃいませ。
サバンナさんから、話を聞いております。
こちらへどうぞ。」
彼女は、会釈をしながら、
2階へ誘導していった。
2階の廊下には、いくつもドアがあり、
一番手前のドアを開いて、
我々を出迎えた。
中にはいると、全面に海が広がっており、
バルコニーをでれば、180度のオーシャンビューが広がっているようだった。
部屋には、高そうな芸術品が飾られており、
60人は、入れそうな大部屋が広がっていた。
「本日は、ようこそいらっしゃいました。
サバンナさんとは、この店のオープンで相談に乗ってもらった縁で、
よくしてもらってます。
私は、キャロットと申します、よろしくお願いします。」
ご丁寧なあいさつをしてもらったあと、深々と頭を下げてきた。
「今日は、よろしくお願いします。
こちらは、リイナ様です。わが教会の最重要のお客様となっております。」
ミカンちゃんが、真面目に対応をしている。
ちょっと、イメージと違って面白い。
「クロムから、手紙をいただいており、
大体の事情は聴いております。
ミカンさんのことも、聞いておりますよ。」
先ほどより、打ち解けた表情をしたと思ったら
ミカンに語りかけた。
「クロムから、静かに食事をさせてほしいと
伺ってますので、
となりの部屋の使用は取りやめにいたしました。
もし、下の階が気になるようでしたら、
退店させますので、
おっしゃってください。
また、ボーイは、当店No1~6までをご用意しましたので、
何なりとお使いください。」
キャロットさんの後ろに6人、それぞれの種類のイケメンがおり、
静かに立っていた。
間もなくイケメンたちの挨拶がされそうだったので、
こちらが先陣をきった
「とても、ありがとうございます。
ですが、流石に、ボーイさんは、一人で十分ですので、
他の方は、必要ありませんよ。
あと、私は、静かじゃなくても大丈夫ですから、
この部屋以外は、お使いください。」
「本当によろしいんですか?
まぁ、そうでしょうね。
では、ヒビキ様の通りにさせていただきます。」
小声で、僕に聞こえるぐらいの音量で、
ささやいた。
どうやら、大分事情を知っているようだ。




