第81話 町の説明をきいてみよう
ギルドの奥に進むと、
工場があり、通りから、
作業をしている人を覗くことができた。
工房は、正方形で30メートルほどの建物になっており、
2階建てだった。
「ここら辺は、家具などの大型の木造物を作ってます。
依頼は、大通りの商店で、お願いして、こちらで作ってるみたいです」
ミカンちゃんは、ひとつひとつの工房を説明してくれている。
他にも、武器や鎧、靴などの装備品、、錬金術やスクロールのアイテム、紙などの日用雑貨かなど、いろいろな工房があった。
珍しいところで、花火の工房があった。
「昔は、爆発などがあったりして町の外で作られてたんですけど、
シールドでの制御を行うようになってから、
事故が無くなりました。
手元を見てください」
言われるままに手元をみると、
花火のたまに四角く、うすい膜で、囲われていた。
「張った人間は通過できますが、
他は、通過できないようになってるんです」
「指は、怪我しそうだね」
「そこは、仕方ないと思いますけどね。
指などの欠損であれば、
私たちで、回復できますから、
大丈夫ですよ、任せてください。」
自身満々にいってるが、
想像もしたくない。
「他にも、いくつも工房はあるんですが、
種類は、大体いったかと思います。
すらいむさんの作成工房とか、
まだまだ、おもしろいところは、ありますよ。
そろそろ、水上都市に向かいましょう。」
そういって、
大通りに向かっていった。
「大通りを通過して、海側から
回って、水上都市にいきます。」
大通りは、人が多くいたが、
すぐに向かいの道に向かったため、人をすんなりさけて、横断できた。
数分歩くと、正面は海だった。
砂浜はなく、柵で区切られており、
下には、2メートルほどの岩場が広がっていた。
10メートル先は、水上に足場が広がっているため、
うまく、下に降りれれば、水上都市に行けそうだった。
「駄目ですよ、降りちゃ。
岩場にまきこまれたら、死んじゃいますよ。
毎年、何人かは、岩場に巻き込まれる事故が起きてますから。」
怖いことをさらっというな、この娘は。
「奥に検問所がありますから、
そこから、水上都市に渡れます。
本当は、噴水のところから、真下に向かうんですが、
この時期は、大混雑ですから、
裏道ですみません。」
握っていた手は、すでに離しており、
横に並びながら、検問所に向かった。
「ミカンちゃん、こっちに来るなんて、珍しいわね」
恰幅のいいおばちゃんが、声をかけてきた。
「クロムさんのお使いで、リイナさんに町を紹介してたんです。」
むっとすることもなく、答えている。
この人には、ちゃんづけでもいいんだな。
「クロムちゃんからの頼みごとが、そういえばあったね。
洋海亭 をミカンのためにとっておいて、ほしいってお願いされたから、
話をとおしておいたよ、残念ながら、特別室だけどね。
できれば、貸切っていってけど、流石に、今日だと、
断られたよ。」
「あ、すごいです。ありがとうございます。
流石、サバンナさんですね、
予約すら受け付けてくれない、人気店を、
とってくれるなんて。」
驚いた表情で、サバンナさんをみてる
「この辺で、わたしのお願いを蹴る人なんて、
いないから、楽勝だよ」
「リイナさん、サバンナさんは、クロムさんのお師匠様なんです。
こういった検問所は、もめごとや調整ごとが多くて、
顔が広くないと、調整しづらいんですよ」
「ほめたって、何もあげるものは、ないよ」
嬉しそうに、頭をかいてる。
「姉があとで、ここを通ると思うんですが・・・・」
「ああ、伝えとくよ」
最後まで、言わなくても、
理解してくれるみたいだ。




