第8話 食事をとって寝てみよう。
寝床の準備もできたし、
寝ている間に、襲われることもなさそうだし。
心配が減ったらお腹が空いてきた。
ゆっくりご飯をでも、食べよう
パンと水筒をイメージして、バックから取り出す。
そうか、2つ同時にイメージすれば、
複数でも取り出せるのか。
賢くなったね。
寝床に座りながら、
パンを半分にちぎり、もう半分をバックに戻した。
このパンの色、食べたことのないような、黒い色をしてるなぁ。
食べられるんだろうけど、硬そうだなぁ。
一口かじってみる。
確かに硬い、食えないこともないが、個人的にはもっと柔らかい触感がいいなぁ。
逆に、噛んでいることで、
満腹感を刺激するかもしれない。
そう思おう。
外は硬く、中はもちもちしてる感じで、
きっと悪くない、むしろ美味しいんだ。
いや、うまいんだ。
でも、パン以外が食べたいなぁ。
肉とか、肉とか、肉とか。
そんなことを思ってたら、目の前には、トノサマカエルに似たカエルを発見。
カエル肉は鶏肉みたいっていうけど、ほんとかなぁ
思わず、ガン見しちゃう。
流石にカエルは食べたら可哀想だよなぁ。
お腹空いたら、食べるしかないのかなぁ。
非常食に捕まえた方がよいのかなぁ。
パンをかじりながら、
なんとなしに、パンのひとかけらを
カエルに投げてみる。
流石に、カエルがパンは食べないよね、
って思ったけど・・・・
くってるな、
あいつ器用にくってるな。
〈こっちのカエルってパンをたべるの?〉
〈はぁ、食べるわけないでしょ、カエルだよ〉
〈そうだよね、ちなみに、お腹すいたら、カエル捕まえてたべる?〉
〈わたしをなんだと思ってるの、蛇じゃあるまいし、カエルなんて食べたことないわよ〉
〈そうだよね、ハハハ〉
そんな無駄なやり取りをしている間に、
カエルは満腹になったのか、姿をくらましていた。
あれは、夢だったのかな。
〈ただいま、特に危険な生き物はいなかったわ。
まさか、少ない食料をカエルにあげてないわよね〉
じろりと顔を近づけて、聞いてきた。
〈そんなことあるわけないでしょ、やだなぁ〉
と苦笑いを浮かべながら、答えてみたけど、
きっと、ばれてる。
〈終わったことを言ってもしょうがないから、いいわ。
明日は日が昇ったら動きましょう。少し早いけど、寝むっていいわよ。
わたしがあたりを見てるから。〉
そういって、となりに座った。
〈うん、ありがとう。おやすみ、リイナ。よろしくね。〉
〈おやすみ、ひびき〉
激動の1日が終わり
疲れ切っていたせいか、僕は直ぐに眠りについた。