第78話 この街にいつまでいるか相談してみよう
大通りから外れて、小道に抜けると、
小道が多く存在しており、
二階建てや三階建ての建物が立っていた。
稀に、商店が点在しており、
多くは、住居だった。
大半の人は、こちらで住んでいるとのことだ。
大通りに近くなるほど、
家賃が高いそうだ。
教会がある北側は、
ホテルなどの宿泊業が多く建設されており、
上の立地になるほど高級みたいだ。
風景がいいからだろうか。
東は、工房などがあり、
あそこでは、家具や高度品をつくっており、
攻防以外には、ギルドなどがあるそうだ。
工房をぬけると、平屋の住居などがあり、
こちらは、安く住めるそうだ。
鍛冶師などの職人や、
お金のない冒険者は、そこで、野営をしてたりするらしい。
西側を一時間ほど歩いたが、
住宅街な為か、さほど、説明するところがなさそうだった。
その割には、ずいぶん奥にまできたなと思ったら、
ここが、ミカンちゃんとムラサキさんの住んでいるところらしい。
お茶の提案をされたけど、時間がおしいから断ったよ。
ミカンちゃんは、お土産を置きに、いったん部屋に戻った。
〈大きな町だねぇ〉
〈そうね、シャルルさんがいた村とは、段違いね〉
手持無沙汰のため、リイナに相手をしてもらうかな。
〈どのくらい、ここにいようか。〉
〈わたしも、街を歩いてみたいから、
早くても、明後日じゃない?
でも、祭りも参加してみたいわね〉
〈そうだね、急ぐ旅じゃないから、
参加してもいいかもね〉
一通りイベントに参加してからでもいいかなぁと
思ってるところに、ミカンちゃんが帰ってきた。
「お待たせして、すみません。
このあと、東区を周ったら、
夕食をとりに、水上都市に行きましょう。」
再度、手をにぎると、
裏通りに進み始めた。
「噴水前の大通りは、どうやって人ごみを、回避できませんが、
裏通りを抜けていくと、
大分はやく、東区に移動できます〉
迷いそうな裏通りを
慣れている感じで、
ぐんぐん進んでいる。
僕は、もはや、ここがどこをどう進んでいるか
判らない。
しばらく進むと、
裏通りでも、ぽつりぽつり人と遭遇していく。
どうやら、ミカンちゃんと知り合いもおり、
挨拶をしながら、会話できないことを謝っている。
結構、いろんなところに知り合いがいるんだな。
そんなことを、手を見つめながら考えててると、
お昼前に通った、大通りまで、戻ってきた。
やっぱり、その時より、
人が溢れていた。
身動きするのも大変だ。
「あと少し、我慢して下さいね。
噴水の下の小脇を抜ければ、
人通りがありませんから」
説明されても判らないから、
僕は、彼女を信じて、進むだけだ。
はぐれないように、さっきより、強めに手を握った。




