第77話 小腹を満たしてみよう
肉まんが話しかけてきた、
「ただいま、戻りました」
「おかえり。それにしても、おっきいね」
「一番、特大サイズを買ってきました。
流石に、これを買ってる人は、いませんでしたね。
うふふ」
「ミカンちゃんの分は?」
「・・わたしの分は、姉と一緒に食べようと、
お土産にバックにいれました」
すこし、口調にいかりぎみだけど、
なにか、気に障ることをしたかな。
「流石に、大きすぎて、食べきれないや」
僕は、半分に割ると、残りの半分をバックにしまった。
「え!」
ミカンちゃんは、驚いた表情を浮かべながら、
こちらをみてる。
「やっちゃいましたね。
取り出す時、絶対手が汚れますよ。
これだけの熱さだと、餡をもっちゃうとやけどもしちゃいますね」
僕は、更に半分に切った肉饅頭を
バックに入れたところだった。
〈ヒビキ、何してんの〉
リイナが上空で文句をいっている
〈ごめん、気がまわらなかったよ〉
「失敗しちゃった」
ミカンちゃんに向けて、話した。
「やってしまったのは、仕方ないですね、
取り出す時に気をつけたほうがいいですよ。
ふふふ」
笑いは止められないのか、爆笑のまま、慰めてくれる。
四つに割った肉まんは、それでも、こぶしよりは大きい、
肉饅頭をひ一噛み、頬張った。
口のなかには、肉汁飛び散り、シイタケなどのうまみがでている。
適度にある歯ごたえ、
甘みのある皮で、
バランスがとられており、
とても、おいしい。
「おいしいね、ミカンちゃん」
僕は、肉まんを持っている手は、肉汁だけらになり、
足元に餡をこぼしながら、そういった。
「ふふふ、口の周りに餡がついてますよ。
子供みたいですね。
ちゃん付けは、やめてくださいね。リイナちゃん」
どうやら、呼び方を間違えてたみたいで、
逆鱗にふれてたようだ。
「ごめん、ミカン。」
僕は、謝りながら最後のひとかけの肉まんをほおばった。
「食べながら、謝らないでください。
さて、まずは、教会の西側から、説明します。
はぐれないように付いて来て下さいね、リイナさん」
そういって、
肉汁だらけの手をにぎり、
手を離した。
僕らは目を合わせ、
「まずは、手をあらいましょう」
と会話をしながら、
大通りをはなれ、小道にはいっていった。
僕らは、汚れた関係になった、主に手が。




