第71話 責任の取り方を学んでみよう
話をしている最中に、ミカンさんがきて、
紅茶とクッキーを持ってきてくれた。
カチンカチンのミカンさんをみて、
オリビアさんの偉大さがより一層わかったが、
知ってる顔がみれたことによって、心に余裕が少し出てきた。
その後も、終始聞き役に徹し、僕の話が一刻たった時にようやく終わった。
一通り話すと、オリビアさんターンとなり、
この島の呪いの話をしてくれた。
話し終わった時には、
いただいた紅茶とクッキーは全て食べ終わっており、
オリビアさんが、自分のクッキーを渡しながら、
再度、お茶をついでくれた。
掻い摘んで話をすると、
100年前に、魔王 ジルによって、
男性を、誕生をさせないという呪い、
男性を、上陸をさせないという呪い
をかけたということだ。
この大陸では、男性が見かけていないのは、そういうことだった。
人間族以外には、呪いの影響がかけられていないということで、
犬獣族や、猫獣族は普通に繁栄しているんだそうだ。
だがそれでは、人間族の種族が滅亡するため、
上陸以外の水上に都市を建設し、男性などは、そちらで生活するみたいだ。
また、大陸内で、転移させることで、大陸内に永住することができる。
だが転移には、準備に時間がかかるため、年に数回しか行えないみたいだ。
当然、大司教だったオリビアさんも転移を行ったことがあるとのことだ。
それを、取り仕切っているのが、聖都 エイトビにある清流教会だ。
そこから考えると、体は、清流教会に大聖堂にあるんじゃないかと思うとのことだ。
どうして、体と意識が別々になってるかは、
今までに凡例がないから、オリビアさんでも、判らないみたいだ。
〈ふ~ん、ヒビキ、説明ありがと〉
〈君もちゃんと聞けば、あらためて説明する必要なかったのに〉
〈だって、説明長いし、村での下りは何回かやってるから、眠くなるでしょ。〉
悪びれる感じもなく、返答した。
「学校でこの辺は習うから、ここの島民は全員知ってるはずよ。
リイナさんが、説明しなかった、もしくはできなかったのは、
回想力低下のユニークスキルのせいね。
教えてくれてなかったっていっても、責めちゃ駄目よ。」
僕のつたない説明で、
リイナに、ここまで理解できるようにするのだから、
オリビアさんは、相当賢いのだと思う。
「祭りの時期でなければ、
誰か一緒にエイトビに行かせられるのだけれど。
祭りが終わるまでは、むずかしいわ。
この町で、ゆっくり楽しむといいわ。
ヒビキ様がエイトビで、話がスムーズにいくようにするために、
事の顛末を書状に記しで作成します。
明日お渡しできるようにしますから、
今日はゆっくりとまってください。」
とても、すまなそうな顔をして、頭をおろした。
「頭をあげてください。オリビア様は、何も悪くないのですから。」
僕はあわてて、止めにはいった。
「転移者様に、苦痛を煩わせるなど、
本来では、あってはならないことです。
クロムには、サポートするよう、伝えますので、
なんでもおっしゃってください。」
一度上げた頭をあげ、先ほどよりも深く頭を下げた。




